朝井リョウさんの著書で一番好きです。
(実際、本作で「直木賞」を受賞されましたしね。)
という訳で、ぜひ原作を読んで欲しいです。

就職活動中の5人の男女。
家庭の事情で大手企業に入りたい地道な女子、
帰国子女で意識高い系だけど全然内定が取れない女子、
ギリギリまでバンドしかやってこなかったのに、要領良くて内定取っちゃう男子、
俺は会社員なんて向いていないとクリエイターぶっておきながら、密かに最大手の広告代理店を受けている男子、
一見欠点がなさそうなのに、なぜか内定が取れない男子。

彼らのかっこ悪くて痛い姿を遠慮なく描いていて、朝井リョウさんの良い意味での意地悪な観察眼が素晴らしいと思います。

SNSをうまく小説に取り入れているのも当時画期的だったような。
そしてラストね。
あれ?と引っかかっていたことが、そういうことだったのか!と。

彼らを演じているのが、
有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、佐藤健。
キャスティングが凄いなぁと思いました。
どうやってこれだけのメンバーを揃えたんだろうか。

本作を観て思ったのは、結局、面接官が見ているのは「一緒に働きたいかどうか」なんだろうね。
日本のおっさんは、自分より優秀な学生なんて取らないと思うよー。
大学生の時に気付いていれば、もっと就職活動がうまくいった気がします。

監督は劇団「ポツドール」主宰の三浦大輔氏。
佐藤建演じる拓人も学生時代に演劇に夢中だったという設定で、ダブルミーニング的に演出に演劇が使われており、印象的でした。

3.5点
http://nanimono-movie.com/