『何者』が映画化される際に宣伝の一環で出したのだろうなぁと、おまけくらいの気持ちでおり、今まで読んでこなかったのですが、おまけなんてことは全くなかったです。
読み応えあるし、朝井さんは「人の自意識」を描くのがやはり上手いなぁと思いました。

全6話が収録されています。
『何者』のアナザーストーリーとしては、
光太郎が出版社に入りたかった理由、
理香と隆良が一緒に暮らし始めた経緯、
瑞月の両親はなぜ離婚したのか、
そして主人公としてではないけれど、サワ先輩とギンジのその後も描かれています。

ずっと女の子と二人組が作れなかった理香の話。
そして『何者』の登場人物ではないけれど、ずっと優等生でい続けた正美の話が印象的でした。

私も、むしゃくしゃしていた。
人に迷惑をかけてきたことを誇りにしている東郷晴香に、
迷惑をかけてきたからこそ自分以外の誰かのことを理解できるし大切にもできると言いたげな栄子に。

私、ヤンキー先生とかがもてはやされるのって許せなくて。
道を踏み外さないで必死に生きてきた人の方が偉いよ。
ヤンキーから更生って、ゼロに戻っただけじゃん、って思ってしまう。