『誰か Somebody』『名もなき毒』『ペテロの葬列』に続く、杉村三郎シリーズの第4弾です。

って、今気づいたのですが、前3作は文藝春秋なのに、本作は小学館。
何があったのだろう・・・。
でもまぁ、本作から杉村三郎は晴れて(?)プロの探偵になったので、新シリーズとも言えるけど。

杉村三郎は前3作では義父が経営する今多コンツェルンの広報室に勤めており、やたらと事件に巻き込まれ、それを解決するという話でした。(TBSで連ドラになってましたよね。)
そして『ペテロの葬列』で妻の不倫が原因で離婚、今多コンツェルンも辞めていたのであります。

本作は、その後のお話。 
中編が4つ収録されています。

宮部さんはやはり、人間の悪を描くのが上手いです。
それも巨悪ではなく、それこそ「名もなき毒」というもの。
誰もが向こう側に落ちる可能性があるのだなと思わせるような。

シリーズ続きそうですね。
探偵になった杉村三郎、ドラマ化すれば良いのに。
(でも小泉孝太郎じゃないんだよなぁ。もっと人の良さそうなイメージ。堺雅人とか。)