3歳の娘・琴美が行方不明になってしまう。
勝手に琴美を幼稚園から連れ帰った星野朱里とその娘は無事なのに、琴美に何があったのか?
朱里を問い詰めても要領を得ず、目撃情報もない・・・。

春口さんの小説は結構読んでいるのですが、本作が一番ノーマルというか、他の人にもお薦めできるレベル。
子供がいる人には、他人事ではないと思うだろうなと。

結局、琴美は行方不明のまま20年以上の時が流れてしまいます。
関係者のその後を描いているのですが、色々と考えさせられました。

親になったからといって、人間として成熟する訳ではない。
琴美を勝手に連れ帰った朱里はろくでもない人間で、こんな親に育つくらいなら、誘拐犯と暮らした方が間違いなく幸せだろうなと。