依頼人の「人生の最後に食べたい料理」を再現し、高額の報酬を得る、通称・最期の料理人の佐々木充。
彼は絶対味覚を持つ天才料理人だが、料理にストイックすぎるあまりレストランの経営に失敗し、多額の借金を抱えていたのだ。
そんな充に、巨額報酬の依頼が舞い込む。それは、天皇陛下の料理番だった山形直太朗が満州国で作り上げた「大日本帝国食菜全席」のレシピを再現するというもの。
充は、70年の時を超えて、山形の足取りを追うが・・・。

充は山形の作った「大日本帝国食菜全席」のレシピを見付けられるのか?という現代軸。
山形は「大日本帝国食菜全席」を完成させられるのか?という過去軸。
この2層構造になっています。

充がそんなに苦労せず、過去を知る重要人物に会えてしまうこと。
山形がレシピを完成させられるのかどうかにそんなに引きが無いこと。
(いついつまでに完成させられないと命を取られるとか、何かしらのタイムサスペンスが必要だったかなと。)
ということから、中盤くらいまでは、淡々としているなぁという感想。
(登場する料理が美味しそうで、お腹が鳴ったけど。)
後半、今まで見えてなかったことが見えてくると、物語が動き始めます。

観てみたら、普通にちゃんとした映画なのだけど、なぜ今これを観なきゃならないのか?という点では弱いかもしれません。
あと、滝田監督がただただ普通に撮っていて、これという映像的演出が無い。
そして、ミステリーなのか人間ドラマなのか、ネタバレしないようにということも考えると、なかなか宣伝も難しかったろうなと思いました。

一点だけ・・・。充はあんなに料理にストイックでスタッフに厳しいのに、柳沢(綾野剛)の長髪&ヒゲを許していたのは何故?料理人としてあり得ないだろう・・・と思ってしまいました。滝田監督、綾野くんにヒゲくらい剃らせようよ。



3点
http://www.last-recipe.jp/