良い映画でした。

ビジネスで成功し何不自由無い隠居生活を送っているハリエットは、生きているうちに自分の訃報記事を用意しようと考える。
執筆を依頼された地元新聞社の訃報記事担当者のアンが取材を始めるが、疎遠になっていた家族もかつての同僚も、誰一人としてハリエットのことを良く言う人はいなかった。
理想とはほど遠い内容の原稿を読んだハリエットは、最高の訃報記事にすべく行動を起こす。

シャーリーン・マクレーンが、全ての人から嫌われている<スクルージおばさん>ハリエットを演じています。

完璧主義者のハリエットは、誰のことも信用していないし、任せない。
美容院に行っても自分で髪の毛を切る、病院に行っても自分で診断する…。

取材を受けた周囲の人たちのコメントがブラックで笑ってしまいました。
あれは人間の形をした黒い雲
彼女のことを忘れたくてセラピーに通っている
嫌い、嫌い、とにかく大嫌い
何か一つでも良いところはないですか?と食い下がるアンに、「・・・良いこと?彼女が死ぬことね」とまで言う人も。

そして、訃報記事に良いことを書いてもらうべく、「どこかに可哀想な子供はいないかしら?」とアンに探させる本末転倒っぷり。

でもハリエットといるうちに徐々にアンは感化されていきます。
やはり成功している人は違うということですよね。
この辺りの関係は、「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープとアン・ハサウェイに近いかも。
でももっとちゃんと心の交流があって、最後は泣ける。

とかくベタなお涙頂戴ものになりそうなところを、シャーリーン・マクレーンの巧みさと、ブラックギャグ、全編を彩るミュージックがポップに仕上げています。



4点
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