老いた母、母の年金頼りの息子夫婦とその子供、妻の妹。
一見、何の変哲もない5人家族には、実は秘密があった。
5人には血の繋がりが全く無かったのだ。
ある日、息子夫婦は、冬の寒空の下でベランダに出されている幼い少女を”拾う”が・・・。

是枝監督は、親の年金を不正に受給していた家族が逮捕された事件に着想を得て、「犯罪でしかつながれなかった」というキャッチコピーを最初に思い浮かべたそうです。

ですが私は、<犯罪でしかつながれなかった>というよりも、<血という受け身のつながりよりも、自分が選び取ったつながりの方が強いのだ>という感想を抱きました。

目黒区の5歳児虐待死と重なり、色々なことを考えさせられました。
血の繋がりなんて、占いと同じくらいに思えれば良いのになと。
良いものだけ信じて、悪いものは気にしない。
血の繋がりという呪縛に苦しんでいる全ての人々が解放されますようにと思うけれど、でもそれは子供には通用しないものね。
生まれた時に、既に脳に「親だからといって必ずしも子供を愛している訳ではない」「親に愛されなかったからといって、必ずしも自分のせいではない」ということがインプットされていれば良いのに・・・。

話が脱線しました。

この一家の冬から冬までを、是枝さんが時間をかけ丁寧に演出しています。

樹木希林さん、リリー・フランキーさんはもちろんのこと、安藤サクラも素晴らしかった。
特に後半の泣きの演技が印象的で。あぁ、こういう泣き方もあるんだ…と。
お兄ちゃん役の子役、この子は来るだろうねー。

ところで、これまで是枝作品もパルム・ドール受賞作も観ていないのに、日本人がパルム・ドール獲ったということだけで本作を観に行っている人とは、どうしても相容れない。私とは人生観が異なるのだろうなと思います。
「いいじゃん、これをきっかけに映画観るようになってもらえれば~」と言う人もいると思いますが。


4点

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