私は若い女の子たちに「友達にしないことは恋人(配偶者)にもしない」とアドバイスするのですが。
一番大事な人に感情ぶちまけてんじゃねーよと思う。
それって、「甘え」なんて可愛いもんではなく「暴力」だよと。

私の母は、大人になりきれていない大人で、子供の頃から冷静に「親も完全ではないんだな」と思っていたものですが、いやはや、娘だからといってそこまで言ってよいもんかね?と思うような暴言を吐くことがあるのです。
例えば、「社会人失格」とか。
「はぁ?一度も働いたことのないあなたに言われたくない!」と言い返した日には泣いて喚かれるのが目に浮かぶので、完全にシャットアウトします。

前置きが長くなりましたが、本作の主人公である瞳子は、家族に人生を滅茶滅茶にされているのですね。
子供の幸せを願わない親なんているのだろうか?と思いますが、いるんでしょうね。

瞳子の母親は、自分に似ず美人の娘に嫉妬し、ブラジャーを買ってあげませんでした。
祖母の介護を瞳子に押し付け、瞳子の夢を摘み、後に自分の介護も押し付けます。
父親は介護要員である娘を家に縛り付けるため、娘の不倫は見て見ぬふりをし(結婚されるより不倫の方がマシという考え方)、不倫ではないなと思ったら邪魔をする。
そんな瞳子が通っている心療内科で出会った顕は妻のDVに悩んでいた。
ある日、遂に顕が妻を殺してしまい・・・

ミステリー要素もありますが、それよりも、「家族という呪い」がテーマだなと思いました。

家族だからって、分かり合えないこともあるだろうし、だからといって、自分を責める必要はないよね。
そして、逃げても良いと思うよ。