メフィスト賞受賞作です。

ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。
政府はこの病に罹患した者を法的に死亡したものとして扱い、人権の一切を適用外とすることを決めた。

異形というのも、中型犬サイズの昆虫(手や足は人間の指)、巨大イソギンチャク、人面犬、植物(葉っぱではなく指が生えている)とグロテスク。
表紙もグロテスクなので、ホラーだったら嫌だなと思って読み始めたのですが、むしろ人間ドラマでした。

ポイントは、罹患者の殆どが若者、その中でも引きこもりやニートであるということ。

持てあましていた引きこもりの我が子がある日突然、グロテスクな生物に変貌したら。
それでもあなたは我が子を愛せますか?

この小説でも、殺してしまう人、山に棄ててしまう人、保健所に持ち込む人など登場します。
兄弟が発症したことにより、婚約破棄されてしまった女性も登場します。

そんな中で、虫になってしまった息子を守り続けようとする一人の母親が主人公です。

黒澤さん、すごい想像力だわ。