婚約者の坂庭真実が忽然と姿を消してしまう。
彼女は行方不明になる前、ストーカーに遭っていると言っていたが…。

第1部は真実の婚約者である西澤架が真実の行方を捜すパート。
架は真実と婚活アプリで知り合ったのですが、彼女の行方を捜すうちに、彼女がどんな婚活をしてきたかも明らかになっていきます。

第2部は真実の視点で描かれていきます。
いわば、辻村版「ゴーン・ガール」的な。

タイトルが、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』を彷彿させますが、本作はまさに辻村版・現代日本の婚活小説と言えるでしょう。

真実が登録していた結婚相談所のオーナーの言葉が金言です。
「結婚相談所は最後の手段ではありません。最初の手段なんです。もう少しお若かったら、こちらでも手立てがあったのに」
「うまくいくのは、自分が欲しいものがちゃんとわかっている人です。自分の生活を今後どうしていきたいかが見えている人。ビジョンのある人」

真実がね、全く好きになれないタイプなんですよ。
進学も就職も意思が無く親の言いなりで、そんな自分をいい子だと思っていて、「私は控え目だから」「私はそんなに強くないの」と言いながら、インスタで(写りの良い)自撮り写真を上げまくるという。そして自分は学歴も収入も低くて見た目も地味なのに、結婚相談所で紹介される男性を「婚活って、こういう理想とかけ離れた相手を紹介されることなの?」「ピンとこない」と一蹴する。

えーっと・・・傲慢ですね?

なのでこのラストには全く納得がいかなかった。

まぁ、実際、男には何も見えていない・・・と思うけどね。