認知症になった母親とその息子のお話です。

認知症になった母親と接することで、息子は忘れていた記憶を思い出していきます。
その逆説的な感じが面白いなと思いました。

「あなたはきっと忘れるわ。みんないろいろなことを忘れていくのよ。だけどそれでいいと私は思う」

母はずっと覚えていた。自分が忘れていたのだ。半分の花火は、こんなに近くにあった。それなのに母が最後に見たかった花火を、見せてあげることができなかった。

あんなに嬉しかったのに、どうして忘れてしまったんだろう。


このくだりはこみ上げてくるものがありました。
今、母が死んだら。
考えただけで後悔の波が押し寄せてきて震えます。

ただし、この小説の母親はかつて息子に対し酷い罪を犯していて、それなのによくこんなに母親の面倒をみてあげるなとは思いましたが。私なら赦せないかも・・・。