井上荒野さんの著作も全て読んでいます。
井上荒野さんのお父様である作家の井上光晴氏と瀬戸内晴美さん(後の瀬戸内寂聴さん)との不倫を描いた小説です。
さらに帯の惹句は瀬戸内さんが書いているという。
すごいなぁ。やはり作家は常人の感覚を超えないとなれないんだろうな。

ご存じだとは思いますが、瀬戸内寂聴さんは尼僧の作家ではなく、瀬戸内晴美さんという作家が出家して尼僧になったのです。

かつて瀬戸内さんの『夏の終り』という小説を満島ひかりさん主演で映画化しましたが、これは、『あちらにいる鬼』より前の話であります。

本作、実話を基にしているので、ストーリーや構成が巧みな訳ではないのですが、とにかく描写が素晴らしい。井上荒野さんの最高傑作ではないかと思います。

ただし…。
『夏の終り』を観た時も思ったけど、どうしても寂聴さんの顔がちらついて・・・。
なぜ彼女がこんなに魔性なのか分からない。。。