カリスマ芸術監督率いるダンスカンパニーの新作公演3日前に主演の藤谷誠が消えた。
全てをダンスに捧げてきた彼に一体何があったのか。

プロローグで誰かが殺されたことが分かるのですが、誰が殺されたのか分からないという構成です。

なお、この新作公演は旧約聖書の「カインとアベル」を基にしており、また、この舞台の美術を手掛けているのが誠の弟の豪で、二人には因果があるとリンクしています。

物語は誠の恋人、誠のダンスカンパニーの後輩、豪の恋人と、周囲の視点から描かれています。

正直、期待していた程は面白くなかったのですが、芦沢さんはよくこんなにバレエの動きを文字で表現出来るなと感心しました。

ところで旧約聖書の「カインとアベル」。
私は子供心にも理不尽に思ったものです。
父なる神と言うでしょう?
親なら子供からの贈り物は何でも喜ぶものだよね?(私の母は違いますが…。)
なぜヤハウェ(神)は、アベルの供物(羊)だけ喜び、カインの供物(収穫物)は無視したのか。
だって、アベルは遊牧民でカインは農耕民なのだから、この供物は然るべき物じゃん?
未だに理解不能だわ・・・。狭量じゃない??