恩田陸さんの著作も全て読んでいて、『蜜蜂と遠雷』は我が人生ベスト10に入る傑作で、『MEZE』『クレオパトラの夢』『ブラック・ベルベット』のウイルスハンター神原恵弥シリーズも大好きだし、『Q&A』と『ユージニア』もお薦め。

ですが、本作は乗れなかったなぁ。
私、分厚い本にはむしろ血が滾るのですが、本作は無駄に長いと思いました。

小道具屋を営む兄とその一角でバーを開いている弟。
弟は物に触れると過去が見えるという不思議な能力を持っている。

ある日、ビルの壁画に使われているタイルに触れたところ、両親の過去が見えたんですね。
で、同じタイルを辿るうちに、徐々に両親の過去に近づいていくと。

それと並行して、解体現場や廃墟に白いワンピースを着た少女が現れるという都市伝説が広まり、二人は彼女をスキマワラシと名付けます。

という風にファンタジーなのですが、ちょっと大人が満足できる内容ではなかったような。
ラストも特に驚きも無く。