劇団「THE SHAMPOO HAT」の同名舞台を映画化。
監督は舞台の作・演出を務めた赤堀雅秋氏で、「その夜の侍」に続き長編映画2作目です。

自宅の塀に書かれた落書きを消す初老の男性。
どうやら息子が無差別殺人事件の犯人らしい。

一体何があったのか。
母親はどこにいるのか?
他に子供はいないのか?
少しずつ過去と現在が明らかになっていきます。

そして、最初は被害者に思えた父親が、実は元凶だということが分かっていきます。
抑圧的な父親のせいで母親は精神を病み、長男は対人関係に難を抱え会社をリストラ(しかも妻にもそれを言えない)、次男はついに無差別殺傷事件を起こす。

他所から見たらごく普通の家族が崩壊していく様を生々しく描いています。

父親を三浦友和、母親を南果歩、長男を新井浩文、次男を若葉竜也が演じています。
赤堀さんの演出もあって、みなさん素晴らしい演技をしています。
特に次男の若葉竜也を初めて知りましたが、こんな若手実力派俳優がいたなんて!と。

ただし、やはり舞台なんだよなぁ。
映画として見ると、画面構成もカット割りも編集もまだまだだなぁと。
ほんと、舞台を観ているかのようなのです。
もっと映画としての工夫が必要だと思います。



3.5点
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