趣味の為に生きて行く。

グルメ、本、映画、旅行をメインにアップしていきます。

天童荒太 『ペインレス』上下巻 (新潮社)

天童さんの著作は全て読んでいるのですが、今回ほど、読み進まないものはなかった。
難解だし、共感できないし、とにかく面白くない。
途中、何度も挫折しかけ、私にしては珍しく上下巻読むのに1週間もかかってしまった。

ペインクリニックに勤務する医者の万浬は、実は生まれつき心に痛みを感じたことが無い。
そんな万浬が、クリニックで、海外でテロに巻き込まれ、その時の怪我が原因で肉体的な痛みを感じることができなくなった森悟に出会う。

心に痛みを感じない人間
肉体に痛みを感じない人間
心に痛みを感じない人間を作ろうとする人間
様々な人が登場します。

冒頭がかなりの読みにくさなのですが、万浬の祖母や万浬の患者の視点で描かれた章はストーリーがそれなりにあり、やっと回転してきたか…と。
でもまぁ、お薦めはしません。

羽田圭介 『黒冷水』(河出書房新社)

30歳で芥川賞を受賞した羽田圭介さんが17歳の時に書き、文藝賞を受賞した作品。

私、芥川賞受賞作の『スクラップ・アンド・ビルド』を読んでいない!
というか、今回初めて羽田さんの著作を読んだ。

凄まじく仲の悪い兄弟を描いた小説です。
弟が兄の部屋を漁り、兄は罠を仕掛けるのですが、想像を絶するレベル。
うちの姉妹も仲が悪くて、友人達に信じられない…と言われることがあるのですが、この兄弟に比べたら可愛いものよ。

面白いのは、兄から見た自分自身と弟、弟から見た自分自身と兄の不一致ですね。
人間って自分のことは客観視できていないものだなぁとゾッとした。


江戸川乱歩 『孤島の鬼』(角川書店)

これ角川ホラー文庫にラインアップされているんですよ。
お化けも鬼も出てきませんが、人間が一番恐ろしいということですね。
あの伝説のカルト映画「フリークス」が頭に浮かびました。 
今だったら絶対に発行できないだろう差別用語のオンパレード。
ネタバレするとつまらないと思うので、これ以上は書きません。
うなされそう。。。

桐野夏生 『ロンリネス』(光文社)

『ハピネス』の続編で、同じく「VERY」で連載されていたものです。
湾岸(豊洲)のタワーマンションを舞台にママカーストを描いた『ハピネス』。
今回はママ不倫がテーマで、洋子に続いて、有紗も同じマンションに住むパパによろめいていきます。
桐野さんって凄いよね。「VERY」の読者にもレベルを合わせられるんだもんね。(嫌味に読めたらすみません。)
いつもの桐野さんの筆圧を考えると、ちょっと物足りない感もありますが、さすが桐野さん、読ませる力がありますね。
2~3時間で一気読みしました。
ちなみに舞台となるツインタワーのマンションは、豊洲に実在する住友不動産のマンションがモデルになっています。スーパーあおきも出てきて、元豊洲住民としては懐かしい。

松家仁之 『光の犬』(新潮社)

初めて読みました、松家仁之。
北海道の枝留を舞台に、三世代にわたるある一家の物語です。
歩と始の姉弟。その母、叔母、祖母。
色々な人の視点で描かれ、しかも時系列もバラバラ、しかも話が非常に地味。
リズムにのるまでは、最初は読み進めるのが苦痛でした。
かと言って、読み終えて、何か大きな感情の揺れ動きもなく。
松家さん、私はもうこの一冊でよいかも。

吉田修一 『ウォーターゲーム』(幻冬舎)

『太陽は動かない』『森は知っている』に続く産業スパイ「AN通信」鷹野一彦シリーズ第三弾です。
私、このシリーズがものすごく好きなのですが、今、吉田さんのホームページを見たら、(いちおう)三部作完結とある。
・・・い、いやーーーーッ!!!!
完結しないでーー。3年に1作でも良いから、ずっと書いてくれー。

太陽光エネルギーを巡る情報戦を描いた『太陽は動かない』
高校生の鷹野一彦がスパイになるまでと初めての任務を描いた『森は知っている』
そして、本作は、水道事業の利権を巡って各国が争います。

おなじみ、アヤコやデイビッド・キムも登場。
そして、まさかのあの人も!

「情報は宝だよ」という大物政治家の台詞があるのですが、まさにそうなのだろうな。
高級レストランに行くと、いつもそう思う。
お金を持っている人がお金を持っている人とつるんで、更にお金を稼いでいるよなぁと。

私にとっては、鷹野とジェイソン・ボーンが重なるの。
孤独で強いって、なんてセクシーなのと思うわ。
西島さんあたりで映画化して欲しいけど、邦画の予算だと、陳腐なものになりそうだしなぁ・・・。





島本理生 『ファーストラヴ』(文藝春秋)

就職活動中の女子大生・聖山環菜が父親を刺殺。環菜が美しく、アナウンサーを目指していたこともあり、マスコミに大きく取り上げられる。
この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼された臨床心理士の真壁由紀と、この事件を担当することになった弁護士の庵野迦葉。二人は単なる大学の同級生という以上の因縁があり…。


なぜ、環菜が父親を刺したのか。
事件の全容とともに、由紀と迦葉の因縁も徐々に明らかになっていきます。

また、3人には親から虐待を受けていたという共通項もあり、それが読んでいて結構辛いです。

島本さん、新境地開拓だなと思いましたが、ちょっと踏み込みが足りないように思いました。
これくらいなら、ある程度の人なら書けると思う。

真梨幸子 『ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで』(幻冬舎)

万両百貨店外商部奇譚というサブタイが付いており、デパートの外商部を舞台にしたイヤミス連作短編集です。

が、あまり外商部関係なくない?という話もあるし、後半、一体何の話?という展開に。
ちょっと散漫な気がしました。

真梨さん、最近ちょっと雑になっている気がする。
もう少し1作1作を大事に書いた方が良いと思う。

三浦しをん 『ののはな通信』(KADOKAWA)

三浦しをんさんも好きな作家さんで、著作全て読んでおります。
三浦さんの最新刊です。

横浜にあるミッション系のお嬢様学校で出会った、庶民的な家庭で育つ頭脳明晰な野々原茜と、外交官の父を持つ天真爛漫な牧田はな。
ののは、いつしか自分がはなに親友以上の想いを抱いていることに気付く…。

“のの”と“はな”の高校生から40歳までの20年間超を、二人の往復書簡だけで描くという、かなり挑戦的な小説です。

我がことを振り返っても、高校生から40歳って、本当に色々なことがありました。
特別な人ではない人の大河小説。
でもだからこそ、自分を投影できるように感じました。

本作を読んで思ったことは、<人間にとって一番大事で難しいことは、相対的ではなく絶対的な、たった一人のパートナーを見付けることなのだろうな>ということ。
それは必ずしも結婚した相手ということではないのです。
(たぶん、そこらへんの夫婦に、生まれ変わってもその相手と結婚したいか?と訊いたら、YESと答える人は半数以下の気がする・・・。それくらい、何となく相対的に選んで結婚している人って多いと思うの。)


林真理子 『美女は天下の回りもの』(マガジンハウス)

ananに連載中のエッセイ「美女入門」を単行本化したものの第16弾です。
基本は
美味しいものを食べて、お買い物して、ダイエットして、の繰り返しですが、私も(レベルは違いますが)そんな日々なので勝手にシンパシーを抱いております。

いつも読みながら、誰のはことなのだろう??と思ってしまいます。

男の趣味が悪いことで有名な楚々とした美人の売れっ子作家。
彼女は十年前にとある文学賞を受賞した際、再婚したばかりの夫を伴ってきたのだそうですが、いかにも水商売風で周囲がびっくりしたのだそうです。実際、キャバレーの客引きをしていたそうで、皆の予想通りの食わせ者で、奥さんの稼ぎをごっそり使い込んでいたのだそう。

誰??

林さん、レストランで隣のテーブルになったり、帝国ホテルですれ違ったり。
その度に、著作ほぼ読んでいますと話しかけたくなるのです。

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