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カテゴリ: 舞台

K-BALLETの公演、ここ数年、年4回は観に行っておりますが、ブログにはアップしてきませんでした。が、今後は自分の備忘録用に簡単に記載することに。

私はK-BALLETの公演自体が好きなのであって、特定のバレエダンサーを推していた訳ではなかったので、いつも自分のスケジュール次第で観る回を決めていました、
強いて言えば、飯島望未さんが好きだなぁ、くらい。
が、今年の夏、前から2列目という近さで栗山廉さんを見て、カッコ良さに気付いてしまったのです…。もうね、存在そのものが王子!!

という訳で、今年のくるみは廉くんが〈くるみ割り人形/王子〉の回を観に行きました。
マリー姫:浅川紫織さん、クララ:塚田真夕さん、雪の女王:日高世菜さん、雪の王:石橋奨也さん。

飯島さんのイノセントでコケティッシュなマリー姫も良いけど、浅川さんの妖艶で正統派美女なマリー姫も良かったです!!

そして石橋奨也さん!
実は先日、石橋奨也さんのバレエレッスンを受けたのであります。
こんな凄い方に教わることができて、奇跡です。

K-BALLETの公演は、舞台美術が豪華絢爛、衣裳もセンスが良く、完全に夢の世界。
今日は、前方の通路側で目の前が抜けていたのと、近くに騒がしい子供もおらず、自分史上トップレベルで集中して観ることが出来ました。
雪の国、粉雪の群舞が特に好きなシーンです。

くるみ割り人形を観ると、今年も終わりだなぁと。
早すぎて恐ろしい。この前、去年のくるみを観たばかりのような気がする…。

東京公演は12月10日まで!

https://www.k-ballet.co.jp/performance/2023nutcracker.html


野村萬斎さんがオペレッタの初演出をなさいました!!

私、萬斎さんの狂言を年間約20公演、K-BALLETの公演もシーズン毎に観に行っているのですが、追いつかないのでブログには書いてきませんでした。
が、今回の「こうもり」は想い出に書きます!!

「こうもり」最高でした!!

オペレッタを観るのは初めてだったのですが、「こうもり」は喜劇で内容も分かりやすく、音楽も特に第1幕は馴染みがあり、初心者でも大いに楽しめました。萬斎さんに新しい扉を開けて頂いたなと。

オペラは歌舞伎、オペレッタは狂言、なるほどね。
オペレッタと狂言は親和性も高く、萬斎さんを演出でオファーした方は、目の付け所が素晴らしい。

オペラは演出が脚本も書くそうで、本公演も萬斎さんが脚本を書かれました。
舞台を日本に置き換えているのが大変巧くはまっていて、ギャグも冴え渡っていた!
アザブジュバーンとニクジュバーンに噴き出しました。

演出も、舞台転換もパフォーマンスとして見せる手法は萬斎さんならではですし、活弁士の起用や、衣裳の書割は斬新なアイデアだったなぁ。

私はオペラ歌手に詳しくないのですが、オルロフスキー公爵(公家に置き換え)を演じた藤木大地さんは大スターなんでしょうね。
その藤木さんが公家の衣裳で公家言葉を話すのは、ファンには大変貴重なことなのだろうなと。ファンの皆さんが爆受けしていました。
西洋のドレスやタキシードより、和装が新鮮って、日本人なのによく考えると面白いですが、キャストの皆さんもノリノリなのが伝わってきました。

萬斎さんはどこから観ているのだろうと思っていたので、カーテンコールでの登壇、狂喜乱舞でしたー!!

ヨーロッパ企画、25周年公演!!
本多劇場で10月8日まで上演中の「切り裂かないけど攫いはするジャック」を観てきました。
(この後、高知・福岡・広島・大阪・横浜・名古屋・魚津と回ります。)

ヨーロッパ企画は大好きな劇団で、15年くらい追いかけていて、毎回、新作を楽しみにしております。
映画化されている「サマータイムマシン・ブルース」と「曲がれ!スプーン」はご存じの方も多いのではないでしょうか。
作・演出の上田誠さんは天才だと思っているのですが、今クール、「時をかけるな、恋人たち」を書いていますよ!!

今回は初のミステリ!
舞台は(切り裂きジャックが現れた頃の)ロンドン。
切り裂かないけど攫いはする謎の怪人ジャックが街を不安に陥れます。
意外な犯人とその目的とは…。

ヨーロッパ企画は、①絶妙な会話劇 ②複雑な伏線と巧みな構成 ③舞台という限られた空間というのを逆手に取った手法 が素晴らしいのですが、今回は②と③がやや弱かったかな。
①は炸裂していました。フィボナッチ数列に爆笑。


https://www.europe-kikaku.com/e42/

世田谷パブリックシアターで3月19日(日)まで公演中の、野村萬斎さん構成・演出・出演の「ハムレット」を観てきました!
https://setagaya-pt.jp/performances/202303hamlet.html

今回、萬斎さんは、ハムレットを導く亡き父王の亡霊と、その父を暗殺しハムレットの母を娶る叔父王クローディアスの2役。
そしてハムレット役は、萬斎さんの御子息である裕基さんです。

シェイクスピア劇なので、とにかく台詞量が半端ないのですが、台詞が単なる台詞ではないのですね。
萬斎さんがインタビューで「シェイクスピアはある意味言葉が主役」と仰っていたのですが、まさに言葉自体が表現で演出なのだと感じました。

狂言師の萬斎さんならではで、大がかりな舞台装置が無いのに、美しい。
特にラストシーンの美しいこと!!
萬斎さんの美意識全開でした。

途中の劇中劇やギャク(下ネタ…笑)など、緩急も見事だなぁと。

そして裕基さん!初めての(狂言以外の)演劇とは思えない、堂々とした演技で、休憩除いて3時間10分ほぼ出ずっぱり。凄すぎる。
狂言という軸があるからこそと思いますが、ここまで引き上げた萬斎さんの演出家としての力量に感服致しました。

ポストトーク付きの回だったのですが、萬斎さんのラグランスリーブのニットとスニーカーという私服が素敵すぎて顔がにやけてしまいました。

世田谷パブリックシアターに野村萬斎さんが上演台本・演出を務められた〈戯曲リーディング『ハムレット』より〉を観てきました。

萬斎さんは、戯曲リーディングでまずトライアルされることがあり、「子午線の祀り」は本公演となりましたが、2019年の「アテネのタイモン」は本公演には至らないようです。(面白くなりそうにないと思ったそうです…。)

萬斎さんは既にハムレットを二度演じられておりますが、演出は初で、今回はハムレット役は息子さんである裕基さんが。萬斎さんはハムレットの父の亡霊/座長/劇中王を演じられました。

日曜の夜に戯曲リーディングということで、少し肩の力を抜いて観に行ったのですが、俳優陣の熱演、そして歌・ダンス・人形劇・生演奏有りと、完全に立体的で、舞台からエネルギーをたくさん頂き、そして奪われました。

今更ですが、戯曲リーディングとは、戯曲を朗読することではなく、俳優陣は台詞を完全に自分のものとしていて、戯曲を持って読んでいるように見せるのも演出の一部ということなのだなと思いました。

裕基さんは、役に追いつき役をこなすというところから、役を追い越すという、次のステージに移られたなと思いました。
一度、自分の中で役を咀嚼し、自分のものとして表現されるようになったなと。

今回は一日限りの上演で、トライアルとは言え、本当にもったいない。
本公演を楽しみにしております!!

https://setagaya-pt.jp/performances/202202hamlet.html


劇団☆新感線は2002年の「アテルイ」から観始めて、2010年の「薔薇とサムライ」が最後だったかも。
舞台は野村萬斎さんの狂言と演劇を追うのに時間的にも金銭的にもいっぱいで、新感線は10年以上振りになってしまいました。

お目当ては、もちろん中村倫也ですよ!!!
野村萬斎さんの次に今好きな日本人俳優かも。

チケットを取るために、トップコートのファンクラブにも入会しましたよ。
(チケット発券したらソッコーで退会したけど。)

良席取れまして、生・中村倫也、ものすごくかっこ良かった・・・。
輪郭も鼻筋も美しい。顔のバランスがとても良いのだろうと思いました。

まぁストーリー的には大したことないです。
簡単に説明すると、安倍晴明(中村倫也)が九尾の妖狐に身体を乗っ取られた陰陽師宗家の跡取り・賀茂利風(向井理)と闘う話。
劇団☆新感線は、演劇というより、ショーだからね。
音楽も爆音だし、効果音や照明もギラギラだし、スモークも立つし、ラスベガス的なノリ。
なので主演が田中圭だったら面白いと思えなかっただろう。

役者さんて凄いなぁと思ったのは、殺陣で、シャキーンとかズサッといった効果音に合わせて動けること。身体にタイミングを叩きこんでいるんだよね。どれだけ練習すればよいんだ。すごい・・・。

毎回、主演が豪華なので、しばらくお休みしちゃっていたけど、好きな俳優が主演の際はまた観に行きたいです。

なお、東京公演はチケット完売しています。
大阪公演は発売これからです!

http://www.vi-shinkansen.co.jp/kyubi/

2月23日、神奈川芸術劇場にて野村萬斎さん演出・主演の「子午線の祀り」を観ました。
神奈川芸術劇場では2月27日まで、その後、名古屋、久留米、兵庫を回って、3月19日~30日で世田谷パブリックシアターで公演されます。

「子午線の祀り」は「平家物語」を題材にした木下順二の戯曲で、一ノ谷から壇ノ浦に至る源平合戦が舞台に、"天”の視点から人間たちの葛藤を描いています。

2017年に野村萬斎さんにより新演出で上演され、読売演劇大賞最優秀作品賞や毎日芸術賞・千田是也賞(野村萬斎さん)などを受賞されました。

今回はその再演だったのですが、コロナ禍を踏まえ再構築されています。

前置きが長くなりましたが、素晴らしかった!!!

私は3列目真ん中のチケットを取っていたのですが、行ってみたら最前列ではありませんか!
始まる前からドキドキが止まらん。

とにかく本当に美しい。
どのシーンを切り取ってもアート作品のよう。
舞台装置はシンプルなのですが、だからこそですね。
人物の配置とスクリーンの配色でこれだけスタイリッシュに美しく見せられるとは。
空間構成と美的センスが本当に素晴らしいと思いました。
特に萬斎さん演じる知盛が「見るべき程のことは見つ」と語るところは痺れました。

「子午線の祀り」を観るのは今回が3回目だったので、ストーリーが分かっていることもあり、今回はより五感を研ぎ澄まして観ることができました。

暗闇、星、さざなみ、読誦。

徐々に恍惚としてきて、舞台との一体感が高まり、まるで包まれているかのような感覚に。
そして舞台を観ているのに、幽体離脱して自分を見ているような不思議な感覚に。
舞台はよく観に行くのですが、このような経験をしたのは初めてです。
途中、休憩が入った時に、あまりに入り込み過ぎて、しばし茫然としたもんね。

ぜひ、一人でも多くの方に体感してもらいたい!
私はまた世田谷パブリックシアターにも観に行きます!!

https://setagaya-pt.jp/performances/202103shigosen.html

萬斎さんの狂言以外の演劇を観たのは今年最初で最後となってしまいました。
(毎年「ヨーロッパ企画」の舞台は必ず観に行くのですが、今年は公演が無かった…)

現代能楽集は、萬斎さんが企画・監修を務めているシリーズで、これまで野田秀樹さんやマキノノゾミさん、前川知大さんなど演劇界の錚々たる方々が、能の物語に着想を得て新作を書き下ろしてきました。

今回は、能「道成寺」と「隅田川」をモチーフにした現代劇で、二本立て。
高橋和也さんや鷲尾真知子さんなど6人の俳優さんが、「道成寺」と「隅田川」でそれぞれ異なる役を演じます。皆さん振れ幅がすごい!
 
作は「道成寺」が瀬戸山美咲さん、「隅田川」が長田育恵さん。
演出は2作とも瀬戸山さんです。
瀬戸山さん、最近本当にお名前をよく見るようになりました。

能に着想を得たということで難解なイメージを持たれるかもしれませんが、能に詳しくなくても、演劇を見慣れていなくても楽しめる内容になっています。
特に「道成寺」は、一見セレブな一家の崩壊を描いたブラックコメディとも言える内容で、何度も噴き出してしまいました。

足るを知り、持っていないものを数えるのではなく、今持っているものに感謝して生きて行きたいと思いました。

「隅田川」は、あそこで「それ男が悪いの?」という台詞を出してくるところに、長田さんの凄まじい才能を感じましたね。ここは観た人と話したいです。私は女性だけど、同調する部分もある。

セットも能や狂言に通じるシンプルな美しさ。
「道成寺」の火、「隅田川」の雨の舞台装置に驚きました。

三軒茶屋の「シアタートラム」にて、12/20(日)までの公演です!

https://setagaya-pt.jp/performances/202011koufukuron.html

世田谷パブリックシアターで3月11日(その後、全国各地へ)まで上演される「シャンハイムーン」を観てきました。
https://setagaya-pt.jp/performances/201802shanghaimoon.html
第27回谷崎潤一郎賞を受賞した井上ひさし氏の作品を、栗山民也氏が演出。
野村萬斎氏が『阿Q正伝』『狂人日記』などで知られる中国の偉大な文学者・魯迅を演じています。

舞台は昭和9年の上海。
思想革命の指導者でもあった魯迅に、国民党政府より逮捕令が出された。
逃亡を余儀なくされた魯迅は第二夫人の広平と共に親交のある内山夫妻が営む書店の二階に匿われる。

魯迅と魯迅を助けてくれた日本人4人との、魯迅が内山書店の二階に匿われていた1ヶ月間を描いています。

魯迅の作品を読んだことがある人ってどれくらいいるのだろうか…。
ちなみに私は中学生の時に『阿Q正伝』を読んだきりです。

魯迅の作品をもっと読んでいた方が楽しめるとは思いますが、魯迅の名前しか知らなくても大丈夫。
革命
云々といった政治色の強いストーリーではなく、偉大な文学者である魯迅が実は大の医者嫌いで歯がボロボロだったり、正妻を酷い扱いにしていたり(思想革命の前にあなたの家庭を何とかしろよ…と思ってしまう)という人間らしい姿を描いており、周囲を巻き込んだ日々の騒動に思わず笑ってしまいます。

決してコメディではないのです。
魯迅は至極真面目なのに笑ってしまう。

この点が狂言とも通じる部分だなと思いました。

人間が必死で生きている姿は滑稽だ。
でもその姿はたくましく、愛おしい。

私が唯一、必ず公演を観に行っている劇団の最新作です。
毎年この時期に新作が発表されるのを楽しみにしております。

トロンプルイユというのは「だまし絵」のことです。
舞台はダリがパリに住んでいた頃なので、1930年代のパリかな。

家賃を滞納している売れない画家3人が、大家の命令で、同じく売れない画家で先日亡くなった店子の部屋を片付けているところから物語は始まります。
この画家がトロンプルイユをたくさん描いていたのですね。
前半はこのトロンプルイユを用いてのモノボケみたいな笑いがあり、中盤からは映画「運命じゃない人」的な構成の面白さがあります。

ヨーロッパ企画は、①絶妙な会話劇 ②複雑な伏線と巧みな構成 ③舞台という限られた空間というのを逆手に取った手法 が素晴らしいです。

今回はややシチュエーションコントの色合いが強かったかなぁ。
私はもう少しヒューマンドラマの要素がある方が好きです。
(「冬のユリゲラー」「
あんなに優しかったゴーレム」「建てましにつぐ建てましポルカ」とか)

それにしても、毎年オリジナルで新作を生み出せる作・演出の上田さんの頭の中ってどうなっているのだろう。
よくこんな構成を思いつくよなと毎年感心します。
上田さんは昨年の「
来てけつかるべき新世界」で岸田國士戯曲賞を受賞されていますよ!
http://tomosan63.blog.jp/archives/10837709.html

「出てこようとしてるトロンプルイユ」東京公演は29日まで!
http://www.europe-kikaku.com/projects/e36/

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