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カテゴリ:本(日本人作家) > 黒田研二

タイトルのマトリョーシカの通り、3重入れ子の構成になっております。

まずは現実軸。
主人公の晋太郎は過去に弟を自殺で失っている。
そして作家で女優の香織と付き合っている。

その現実軸の中に、香織が脚本と主人公を務めた生放送テレビドラマという軸が入ります。

でもってそのドラマは、ドラマとそれを演じている俳優陣の現実という二重構造になっている。

ややこしい。説明しにくい。読んでもらうしかない。

が、構成に溺れていると言いますか、ミステリとしてはたいして面白くないです。


黒田氏は本作で2000年にメフィスト賞を受賞しデビューしています。

結婚式当日に、婚約者のユウ君が交通事故に遭ったという嘘の電話で呼び出され、男二人に拉致され襲われてしまった祥子。


その後の展開が祥子の目線とユウ君の目線で描かれていくのですが、途中で、あれ?あれれ?
なんか矛盾しているぞ?パラレルワールド??となっていきます。


トリックとしては面白い(とは言え、昔からあるもの)ですが、小説としては荒唐無稽で無茶な部分が多いです。
まぁデビュー作ですからね。リアリティに縛られないというのは良いことなのかもしれません。

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