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カテゴリ:本(日本人作家) > 歌野晶午

音楽スタジオの控室で人気絶頂の歌手ROMMYが絞殺死体となって発見される。
限られた関係者しか出入りのなかったスタジオ。
この中の一体誰がROMMYを殺したのか?

事件を追う時系列の軸と、ROMMYが無名だった頃から応援してきた中村くん視点の軸と、2つの軸で描かれていきます。

ROMMYの生い立ちが切なくて、ROMMYには生きていて欲しかったので、早々に殺されてしまったことで、やや気持ちがめげましたが、二転三転あり、衝撃のラストを迎えます。

なぜ死体をバラバラにしたのか。
そんな動機もあるのね!!!




歌野晶午の大ドンデン返しという惹句に騙されたのは『葉桜の季節に君を想うということ』に続いて二度目です。

コインランドリーの洗濯槽に浸かったり、ファミレスで暴れたりしている写真をSNSで公開する無軌道な若者たち。
スクープを撮ってテレビ局員になりたい番組制作会社勤務のディレクター。
勤め先の同僚から無視されている根暗な美容師見習い。

この3つのブロックが交錯して収束していくのですが、ちょっとさー、
「ラスト大大大どんでん返しの真実と、人間の業に、読者は慄然とし衝撃に言葉を失う!」
この惹句はあんまりだと思うよ。
風呂敷広げ過ぎ!

こんなこと言わなければ、まぁ普通に面白かった(たいして面白くないけど)と思えたかもしれないのに、ガッカリ感が半端ないです。

誇大広告!
JAROに言いつけなきゃなレベル!

第57回日本推理作家協会賞受賞
第4回本格ミステリ大賞受賞
このミステリーがすごい!2004年版第1位
本格ミステリベスト10 2004年版第1位
週刊文春 推理小説ベスト10  2003年度第2位
と、数々の賞を総ナメにした本作。

全然、存在を知りませんでした。
この頃、ミステリーに興味がなかったのかと。

ハードボイルド+ミステリー+恋愛みたいな感じですかね。

元探偵の成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から、身内が悪徳商法に騙され保険金詐欺で殺されたのではないかという疑惑について調査を依頼される。
そして同じ頃、将虎は自殺を図ろうとした麻宮さくらという女性を助け、二人はデートするようになる。

各章が異なる登場人物の視点で描かれ、この二つのプロットが交錯していくのが面白いです。

なんで映像化されていないのだろう?と思ったのですが、ラストのオチ(本作の肝)で、あぁこれは無理だなと。
こういうトリックが、小説ならではの醍醐味ですよね。



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