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カテゴリ:本(日本人作家) > 鮎川哲也


汐留駅でトランクに詰められた男の腐乱死体が発見される。
行方不明になっていたトランクの送り主が溺死体となって見つかり、遺書もあったことから、事件は呆気なく解決したかに思われたが・・・。


自殺した犯人の奥さんが、うちの夫がこんなことをするはずがないと、学生時代に自分に思いを寄せてくれていた、今は刑事の鬼貫に助けを求めるのですね。
鬼貫の再捜査により、真犯人と思われる男が浮上するのですが、彼には鉄壁のアリバイがあると。


アリバイ崩しモノが好きな人には良いかも。
アリバイ崩しに興味が無い私には(トリックにもたいして興味が無い)、あまりに複雑すぎて、本作を読み通すのは正直苦痛を伴いました。
図解もしてくれているのだけど、正直どうでもいいわ・・・と思ってしまった。
人間ドラマが弱いなと思ったけど、最後の鬼貫のドライさは良かった。

初版は昭和51年。
鮎川哲也氏の代表作です。
(と偉そうに言ってみましたが、私は本作が鮎川哲也デビュー。)

埼玉県と長野県の境にある大学のレクリエーション施設である「リラ荘」にやってきた学生7人。
次々と連続殺人が起こり、死体のそばにはスペードのカードが置かれていて・・・。

これは犯人分からなかった。
確かにトリッキーで、この手があったか!という気持ちになります。

が、
麻耶雄嵩の『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』を読んだ時も思ったけど、設定に無理があり、それが気になって仕方がない。
なぜ、絶海の孤島でも大雪に閉ざられた山荘でもないのに、次から次へと仲間が殺されているのに、東京に帰らない!??

その理由が、その死んだ仲間の通夜と葬儀があるからというものなのですが、いやぁ無理があるでしょ。
海外じゃないのだし、ここで葬儀をする必要無いでしょう。
殺された学生の親達も不思議・・・。普通、遺体を自宅に連れて帰るでしょう・・・。

という、本筋とは関係無いところに引っかかってしまいました。

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