『しあわせの書~』に続いて泡坂妻夫の小説を読みました。
こちらもマジックがテーマになっています。
Ⅰ部、Ⅱ部、Ⅲ部の三部構成になっています。
Ⅰ部は、マジキクラブというアマチュアのマジッククラブのメンバーが真敷市立公民館でマジックを披露するくだりが描かれます。
ここでクラブメンバー11人の一人一人のプロフィールや得意マジックが明らかになります。
そしてⅠ部のラストで、メンバーの一人が殺されるという事件が起きます。
Ⅱ部はマジキクラブのメンバーである鹿川が書いた作中作の小説が突如として挟まれます。
これはクラブのメンバーが登場人物となっている短編小説集で、Ⅰ部と重なりますが、それぞれの得意マジックが描かれます。
Ⅲ部は解決編です。
犯人にはある特徴があるはずなのですが、Ⅱ部にそのヒントが隠されていて、伏線が上手いです。
本作の面白さとして、Ⅱ部であらゆるマジックの種明かしがされるということがあります。
泡坂氏が実際にマジシャンだからできることですね。
どれもなるほど・・・と。
ただし、『しあわせの書~』と同様、ミステリーとしてはたいして面白くなかったです。