百田さんて全然好きじゃなくて、途中で追いかけるのを止めてしまったのですが、本作は面白そうだなと。

凶悪なダルマガエルの出現により故郷を追われたアマガエルのソクラテスとロベルト。
命からがら辿り着いたのは、ツチガエルの国ナパージュだった。

ナパージュには、
「カエルを信じろ」
「カエルと争うな」
「争うための力を持つな」
という三戒があり、それを遵守するツチガエルたちは善良そのもの。

ソクラテスがダルマガエルに襲われたことを話しても、理由もなしにカエルがカエルを食べることなどないと信じてくれません。

ロベルトはナパージュを楽園だと誉めそやしますが、ソクラテスは懐疑的です。
そしてある日、三戒が誕生した真の理由を知ってしまうのです。
(簡単に言ってしまうと、洗脳ですね。)

そうはいっても、他の場所はもっと危険。
ソクラテスもしばらくナパージュにいるつもりだったのですが、超凶悪なウシガエルがナパージュを脅かそうとします。

若者たちの中には、三戒より命が大切だと、ウシガエルと戦おうと声を上げる者もいましたが、元老達が認めません。
ついにはツチガエルがウシガエルに食べられ始めてしまいます。
それでも元老達は、「三戒があるからこそ、被害がこれくらいで止まっている。報復すれば、簡単に全滅させられる」と言い続けます。

ツチガエルたちの結末は、ぜひ読んでみて下さい。

百田さん版の哲学書とでも言いますか。
三戒は憲法9条や宗教の暗喩に思えます。

手段だったものが目的になってしまい、本末転倒な結果を生む。

ということでしょうかね。