今年から、海外古典ミステリを少しずつ読んでいるのですが、なかなか面白いものが無いのですよ。
当時は斬新だったのかもしれないけど・・・、とか、これってミステリ??というものが多くて。
が、本作はかなり面白かった!!
(今のところ、ベスト3は『毒入りチョコレート事件』『五番目のコード』そして『殺人交叉点』です。)

表題作の「殺人交叉点」と「連鎖反応」の中篇2篇が収録されています。

まず、「殺人交叉点」は、湊かなえの『告白』のようなスタイル。
被害者の母親と犯人の独白が交互に描かれ、事件の全容が明らかになっていくのですが、この独白に熱量があり、グイグイ引き込まれます。
そして叙述トリック(登場人物の性別や国籍、事件の発生した時間や場所など、一部の描写をわざと伏せたり曖昧にすることで、読者の先入観や思い込みを利用し、ミスリードする仕掛けのこと)を使っており、ラストはおぉ・・・!と。

「連鎖反応」は、なんと、日本でも2回もドラマ化されていました。
しかも1回目は、脚本・倉本聰!
こちらは、憧れの女性との結婚を目前に、浮気相手を妊娠させてしまった男が殺人を犯すのですが、その相手も理由もぶっ飛んでいます。
あと、ラストのオチも凄い。
「世にも奇妙な物語」でドラマ化したら面白いと思いました。