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カテゴリ: 本(外国人作家)

ピーター・トレメインの〈修道女フィデルマシリーズ〉の長編1作目で、邦訳4作目。
なぜ日本での刊行が、長編5作目⇒3作目⇒4作目⇒1作目という順番になったのか、本作の訳者あとがきに理由が書かれていました。
日本での刊行が企画された時、既に16作が出版されていて海外では大きな反響を呼んでいた。で、ヒットの理由として〈古代ケルト世界〉への興味が大きかったそうです。
でも本作、1作目は舞台が大ブリテン島、2作目がローマで、古代アイルランドではないのですね。
なのでひとまず古代アイルランドを舞台にした作品から刊行していったそうです。

うーむ…。私は去年、アイルランドを旅しましたが、一体どれくらいの日本人が古代ケルトに興味があるのか…。普通に順番に刊行して欲しかったなぁ。

前置きが長くなりましたが、本作のポイントは、フィデルマと後に良き相棒となるエイダルフとの出会いが描かれていることですね。

ストーリーは、フィデルマの友人でもあるキルデアの修道院長エイターンが殺される。
彼女は殺される前に、聖職を辞して結婚するとフィデルマに明かしていたんですね。
その結婚相手とは誰だったのか、誰が何故にエイターンを殺したのか。
愛憎物です。

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ピーター・トレメインの〈修道女フィデルマシリーズ〉の長編3作目。
上下巻です。

モアン王国内の修道院で、隣国の尊者ダカーンが殺される。
このままでは二国間の戦争に発展しかねないということで、フィデルマが調査に向かう。

調査に向かう途中、小さな村が焼き討ちされ、子供む含め多数の村人が殺されているのを発見します。
そこには王位継承権争いが秘められていたり。

こういったバラバラの事件が、最後、収束していきます。
先日読んだ『蜘蛛の巣』程、ドロドロではないですが、登場人物が多くて人間関係が混み入っていております。

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ピーター・トレメインの〈修道女フィデルマシリーズ〉の短編集をまず読み、継続決定しました。
本作が長編第1作だと思ったら、邦訳の第1作とのこと・・・。紛らわしいなぁ・・・。

緑豊かなアラグリンの谷を支配する氏族の族長エルベが殺され、裁判官のフィデルマが派遣される。
エルベの遺体の横で発見されたモーエンという青年が容疑者とされるが、彼は盲目で聾唖という障がいを抱えていた。

上下巻です。
私はこれをケルト版の横溝正史だと思いましたね。
一族のドロドロやら、この土地の秘密(金脈)やら。

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ホリー・ジャクソンの『自由研究には向かない殺人』三部作の前日譚です。

高校生のピップに友人宅で開催される犯人当てゲームへの招待状が届く。
参加者は同級生とその兄の7人。
舞台は1924年、孤島に建つ大富豪の館という設定で、館の主が刺殺され、その犯人を当てるというもので・・・。

参加者一人一人に、要所要所、設定や指示のメモが用意されており、このゲームを準備したコナーとジェイミー兄弟が高校生とは思えない天才っぷりだと思う。
謎解きに関してはドンデン返し有り。

160ページしかないので、すぐに読み終わります。
三部作未読でも本作から読み始められる内容だけど、三部作を読んでいない人にはあまり用が無い気もする。


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安楽椅子探偵物の代表格であるアイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』全5巻読了。

ニューヨークにある「ミラノ・レストラン」の個室で月に1回開催される「黒後家蜘蛛の会」。
メンバーは化学者、数学者、弁護士、画家、作家、暗号専門家の6名で、ヘンリーという初老の男性が給仕を務めている。
ホストはメンバーが交代で務め、その回の費用を負担する代わりにゲストを一人同行させることができるのだ。

で、ゲストが毎回、何かに困っていたり、謎を持っていたりで、それを皆で解決しようとするんだけど出来ず、最後は必ずヘンリーが(控えめに)解決するというオチ。

この謎も、殺人事件は殆ど無く、4人のうち裏切り者は誰かとか、バッグを盗んだスリが中身だけ返してきたのは何故かとか、日常レベルのものなのですが、面白いです。

アシモフの知識の範囲が広すぎて驚く。
短編集だけど、これだけのネタを長年に渡りよくぞ書いたなぁと。
各話にアシモフがあとがきを寄せていて、それも面白いのです。

5巻の解説を有栖川有栖氏が書いているのですが、
私は『黒後家』ファンです。この連作短編が凄いだの絶品だのとは正直言って思わないのですが、とにかく読みだしたらやめられないのです。

わかる!!まさに!!
私もついに読了してしまい、寂しくてならないよ。

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また新たなシリーズもののミステリに手を出してしまったよ…。
〈修道女フィデルマシリーズ〉です。
7世紀のアイルランドを舞台に、王の妹で、法廷弁護士・裁判官の資格を持つ修道女フィデルマが難事件を解決していきます。

7世紀という時点で、ちょっと躊躇しまして、まずは短編集から読んでみました。
すごく面白い!という訳ではなかったのですが、もう少し読んでみます。
このシリーズが書かれたのは1993年~ということもあり、古臭い感じはないですね。

ブラウン神父の女性版的な感じだと良いな。フランボウらしき相棒はいなそうだけど。

本作は5つの短編が収録されています。
夫と息子の殺害という容疑で逮捕された旧友を救うため駆けつける「ホロフェルネスの幕舎」が皮肉な結末で面白かった。

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「キャリー」(新旧)「シャイニング」「スタンド・バイ・ミー」「ミザリー」「ショーシャンクの空に」「ゴールデンボーイ」「グリーンマイル」「ミスト」「IT」等、スティーブン・キング原作の映画は多数観ているのですが、何気に本を読んだことがなかった…。
(元々、ミステリは好きだけどホラー系は苦手で、なんとなく敬遠。)

本作はホラー要素は無く(犯人はホラーだけど)、ミステリ。
盗んだメルセデスで多数の人々をひき殺した通称「メルセデス・キラー」を退職刑事が追う話。

上下巻で長い。
面白かったけど、メルセデスの持ち主の周辺をちゃんと警察が調べていれば、すぐに犯人が分かりそうなものだけど・・・。

あと、メルセデスはこのタイトルにクレーム入れなかったのかしら。
日本だったらありえないなと。

でもって、ジェフリー・ディーヴァーの〈リンカーン・ライムシリーズ〉を読んだ時も思ったけど、初老の元刑事にかなり年下の女性が惚れるという図式は、おっさん作者の願望?

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ある日、一通の封書が届く。中には封をした一回り小さな封筒と手紙が入っていた。
その手紙には「1から1000までのうちから数字を一つ思い浮かべろ」と書かれていた。
受取人の頭に浮かんだ数字は658。これはまったくランダムに選んだ数字のはずだったが、小さな封筒には「おまえが選ぶ数字はわかっていた。658だ。」と書かれた便箋が入っており…。

受取人は昔の友人の元刑事に相談します。
でも結局は殺されてしまい、さらに連続殺人事件に発展していくと。

なんで数字が分かったのかが気になって一気読み。
犯人の動機とかはあまり面白くなかったのだけど、この数字当てのトリックは思いもよらなかった。
そして現在の詐欺でも使われそうだなぁ‥‥。

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舞台は冷戦下のアメリカ。
ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われる。
だが実際はスパイの才能を見こまれ、訓練を受けて、ある特殊作戦に抜擢された。
その作戦の目的は、反体制的であるとして共産圏で禁書とされた小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることで…。

あまり政治小説は好きではないので少し構えて読み始めたのですが、これは女性達の闘いを描いた人間ドラマで、イリーナの青春小説でもありますね。

イリーナ、イリーナに仕事を教えるサリー、そして『ドクトル・ジバゴ』の作者であるボリスの愛人オリガ、この3人の女性の視点で物語は進んでいきます。

冒頭のプロローグから、切ない。

わたしたちはラドクリフ、ヴァッサー、スミスといった一流大学を出てCIAに就職しており、だれもが一族の最初の大卒の娘だった。中国語を話せる者も、飛行機を操縦できる者もいたし、ジョン・ウェインより巧みにコルト1873を扱える者もいた。けれど、面接のときに聞かれたのは、「きみ、タイプはできる?」だけだった。

男子の倍も懸命に勉強した高校時代に夢見ていたものが、これ?大学の合格通知が入っていた分厚い封筒をあけたとき、思い描いていたのは事務の仕事だった?

わたしたちの大半が、タイプ課での仕事を一時的なものと見なしていた。これは大学を卒業したての男たちが手に入れるものの第一歩だと。最終到達点ではなく。


オリガはボリスのせい(ため)で3年も矯正収容所に収監されてしまいます。

イリーナ、サリー、オリガ、3人とも、男達に翻弄されます。
女達は、生殺与奪の権利を男に持たせないという生き方をつかみ取れるのか。

と、骨太なテーマではありますが、イリーナたちタイピストの日常が生き生きと描かれており、重くも暗くもありません。

『ドクトル・ジバゴ』は原作は未読ですが、デヴィッド・リーン監督の映画は観ており、ロシア革命期の話だけど恋愛物で、別に危険な政治思想の話でもなく、何故、ソ連内で出版できなかったのだろうと思いながら読んでいたのですが、逆に、こんな程度でも出版できないということで、ソ連やばくね?とCIAは諸外国に思わせたかったのでしょうね。

作者のラーラは本名で、母親が『ドクトル・ジバゴ』のファンだったそうです。
(ラーラは『ドクトル・ジバゴ』のヒロインの名前)


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〈マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ〉シリーズの第2弾。

休業中のホテルで死体が発見される。
指紋は切除されており、身元が分からず…。
なぜか満面の笑みを浮かべていた。

ホテルのオーナー、オーナーのお抱え弁護士、ホテルの警備員。
さらにはパパ活中年男と女子大生とのトラブルという別の事件、そしてエイダンの過去の亡霊と複雑に絡んでいきます。

なんだろう…
エイダンと被害者の過去は切ないのですが、文体が合わないのと、エイダンのキャラクターに魅力を感じず、あまりハマれませんでした…。

このシリーズは追いかけないことにしました。


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