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叙述トリック

私は叙述トリック(登場人物の性別や事件の発生した時間や場所などを示す記述を意図的に伏せることで、読者をミスリードし、読後の衝撃をもたらす)好きです。
叙述トリックは映像化が難しく、小説ならではの醍醐味だと思います。

本作は叙述トリックばかりを集めた短編集ということで、大いに期待して読んだのですが、期待しすぎました・・・。
半分はトリックというかオチに気付きました。

小説としてもちょっと軽くて私の好みではなかった。

美少女を殺害し、喉元にハサミを突き立てる殺人犯「ハサミ男」。
三人目のターゲットを決め、緻密なリサーチを行っていたが、ある日、何者かに先に彼女を殺されてしまう。
しかも自分と全く同じ手法で。
一体、誰が、なぜ、彼女を殺したのか?

連続殺人犯が三人目だけは自分が犯人ではないと、真犯人を探すという設定は面白い。
そして叙述トリックが使われていて、後半、えーーーっとなります。
でもこれは絶対に気付けないと思うわ・・・。

これは小説ならではで、映像にしたら一発でネタばれるから、映像化は不可能だろうと思ったら、2005年に豊川悦司、阿部寛、麻生久美子で映画化しているじゃないか。よくやったなー。どうやったんだろう。

筒井康隆さんって、ミステリも書いていたのですね。

クローズドサークル&叙述トリックものです。

夏の終わりにロートレック荘に招待された青年たち。
そこで次々と美貌の若き女性たちが殺されていきます。

んー、この叙述トリックは嬉しい悲鳴をあげられない。
卑怯にすら感じる。

あと、吹雪に閉ざされれているとか無人島で船が無いとかでもないのに、なぜ一人目が殺された時点でこの屋敷から離れないのか疑問。リアリティに欠けます。

助産院で働く紗英は夫の浮気と不妊に悩んでいた。
彼女の心の拠り所である奈津子もまた、夫のモラハラやボランティアサークルでの人間関係に悩んでいた。
共依存とも言える二人の関係が悲劇を生みます。

叙述トリックを使っていて、後半、あれ??となり、ラストでえーーとなり、読み返したくなると思います。

が、一通りショックが治まると、…だから何?と肩透かしな気持ちにも。

紗英も奈津子も友達にはなりたくないタイプ。
色々と周囲に不満があるようだけど、自分自身のせいだと気づいて欲しい。

芦沢央
、初めて読みました。美人さんですね!


タイトルは存じ上げていたのですが、描写がエグイと聞いていたので、なかなか読む勇気が出ず。ここへきて、えいやで読んでみました。

連続猟奇殺人犯の蒲生稔と、彼を捕まえたい被害者の関係者達。
思っていたほどエグくなかったぞ(誉田さんの『ジウ』はエグすぎて途中で挫折した…)と思いながら、ほぼラストまで読み進めた私は、ラストの1行で、「えぇー!?」となりました。
私が今まで読んでいたものは何だったの!?と、頭からざざっと読み返したもんね。
という訳で、叙述トリックです。
まんまと騙されましたが、小説としてはこんなに有名になるほどの出来栄えとは思えず。

何を今更・・・と仰る方も多いと思いますが、いやはや傑作でした。

実の親からも疎まれるくらい醜い顔をした鈴木誠は、学校にも行かず(行けず)社会と断絶し、ビートルズにのめり込み、洋楽専門誌にビートルズの評論を寄せるまでになる。
ひょんなことからその雑誌の撮影に立ち会うことになった誠は、モデルの美縞絵里に恋に落ちてしまう。

ビートルズの「ラバー・ソウル」というアルバムに収められている楽曲と同じタイトルで章立てされています。
鈴木誠の独白と、周囲の人間たちの証言で物語が進んでいきます。
ずっと鈴木誠のエキセントリックなストーカー話かと思って読み進めていくと、ラスト、椅子から転げ落ちそうになります。

読んだ後、しばし呆然。
切なくて泣けました・・・。




小泉さんのデビュー作です。

ストリッパーのミミィ・ローズこと漣子が八島財閥の御曹司である杉彦に見初められ、玉の輿に乗る。が、その幸せも長くは続かなかった。ある晩、杉彦の父親が何者かに殺されたのだった。

私は完全に騙されました。
1963年の小説なので文体もやや古めかしいし、ストーリーもよくある感じじゃん?と思いながら読んでいたら、ラストでガツンとやられました。
私の好きな叙述トリックです。

オカルトスポット探険サークルの学生六人は、OBが所有する京都山間部のファイアフライ館に合宿に来た。
ここは十年前、作曲家の加賀螢司が演奏家六人を殺した場所で、サークルOBの佐世保が買い取ったのだ。
殺害現場を忠実に再現した館でサークルメンバーは肝試しを行う。
そして嵐がやってきて、川が氾濫。陸の孤島となった館で、次々と殺人事件が起こり…。


麻椰さんのクローズドサークルものです。
さらに複数の叙述トリックが仕掛けられていて、ラストは騙されました。

ただし、犯人の動機がおぞましく、読後感はかなり悪いです。

公園のベンチで「死にたい」と呟いたところ、「本当に死ぬ気なら、一年待ちませんか?」と見知らぬ人物に声を掛けられた30代女性。

耳が不自由になってしまった有名バイオリニスト、妻と娘を殺された男性、三十代のOL。
三人の自殺にある関連性を見出した週刊誌の記者。

この2つの話が交互に描かれていくのですが、ラストはやられました。
叙述トリックになっています。

ラスト、良かったです。
本多孝好、読まず嫌いだったかも。

叙述トリック(登場人物の性別や事件の発生した時間や場所などを示す記述を意図的に伏せることで、読者をミスリードし、読後の衝撃をもたらす)と言えば、折原一さん。
折原本、2作目です。

向かいのアパートに住む若い女を覗かずにはいられない、翻訳家の男。
覗かれている女。
そして、翻訳家の男に恨みを持つコソ泥の男。

三人の視点で入れ替わり描かれていき、リーダビリティはあります。
が、ラストがなぁ。
私は折原さんの叙述トリック、2作しか読んでいないのでなんですが、あまりしっくりこないんだよなぁ。



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