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山内マリコ

良かったです。
タイトルも秀逸で、タイトルだけで女性達に伝わると思う。
女性の生き辛さ、葛藤、日々感じる「あれ?」という違和感。
短編小説とエッセイが収録されています。

エッセイ「ライク・ア・ガール」に出てきたエピソードが印象的でした。
アメリカの生理用品ブランドが作ったプロモーション動画。
大人の女性、男性、少年を集め、「女の子らしく走ってみて」と指示を出すと、全員がなよなよ走ったという。
そこで本物の女の子に「女の子らしく走ってみて」と言ったところ、少女たちは誇り高く全力で走って見せた。
そして、「女の子らしく走るってどういう意味?」と訊いたところ、一人の少女がこう答えた。
「できるだけ速く走るって意味」

なんか泣けました。

そして「しずかちゃの秘密の女ともだち」という短編が最高でした。
これは是非、女性はもちろん、男性にも読んでもらいたい。

山内さんの書く男達は、意地悪な視点で描かれていて、良いです。

狭い田舎社会で、本当は好きではない男友達と日々つるんでいる主人公を描いた「男子は街から出ない」という話が良かったです。

私は、好きではない人と一緒にいる位なら、孤独を選ぶ人間になりたい。

舞台はとある地方都市の寂れた商店街。
市役所勤務のタカコの実家は、その商店街にあるウチダ書店だ。
ある日、10年前に家出した次女のショーコが臨月のお腹を抱えて突如として帰ってくる。
商店街の寂れっぷりにショックを受けたショーコとタカコは一念発起し、商店街復興のため奔走する。

ファッションショーやってみたり、商店街の家に大学生のホームステイを受け入れさせたり、廃業したままの店舗でマンスリーショップを運営してみたり。色々なアイディアで頑張ります。

自分の家だから賃料もかからないし、家族経営なら人件費もかからないし、儲からなくても困らないとか、よそ者に排他的とか、商店街の裏側みたいなものを知ることができて面白かった。

ただし、小説としては、ちょっと軽い。
そんなに全て順調にいく訳ないでしょうとリアリティに欠ける気がします。

週刊文春での連載を書籍化したもの。
買い物を通して、好きなものへの思い、暮らし方、処分の仕方、近ごろの消費傾向、ほのかなエコ意識、果ては現代社会のあり方なんかにも思いを巡らす、雑駁なエッセイになっています。
とのことです。

一番の感想は、山内さんって儲かっているのね・・・。

プラダの長財布、グッチのスウィングレザートート、ルブタンの靴、ルンバ、4Kテレビなどなど。
一年ちょっとの間にこんなに買い物している・・・。

トラディショナルウェザーウェア(折りたたみ傘)、アントン・ヒュニス(ピアスとネックレス)、ピッピ(サンダル)、レインファブス(長靴)、LITTLE SUNSHINE(タオル)など、このエッセイで知ったブランドも多数ありました。

・・・なんだろうこのモヤっとした気持ち。
私って、心せまっ!

山内さんだし、タイトルから面白そう!と期待して読んだのですが、イマイチでした・・・。
個人的なエピソードに普遍性をもたらせてこそ、良いエッセイと言えるのだと思いますが、本作は、「・・・日記?」「・・・ノロケ?」というレベル。

いくつか、あるある的なエピソードは掲載されていましたが。
生活費を折半しているのに、彼氏の家事稼働率が五割に達したことは数えるほどしかない、とか。

という訳で、ここからは本の感想ではなく、私が日々、疑問に思っていることを書きたいと思います。

まず前提として、私はミサンドリー(男性嫌悪)でもなければフェミニストでもありません。
単に、アンフェアが許せないだけ。
なので、元々お金持ちの家に生まれた訳でもなく、自分には特に何の能力も学歴も無いのに、金持ちの男と結婚して専業主婦になった女が、「エコノミーには乗りたくない」だの「子供は幼稚舎に」とかのたまっているのを見ると、胸倉つかんで「一円でも稼いでから言え!」「われはどこの大学出とんじゃ!?」と、どやしつけたくなります。


ケース①
共働きなのに、家事や育児を一切(または殆ど)を妻にやらせている夫

これって、一体全体、どういう了見なんでしょうかね?
男女雇用機会均等法の施行以前、女性が職に就くことが難しかった時代なら理解できます。
専業主婦が家事一切を担うのは、役割分担ということです。
その理屈を踏襲するのであれば、共働き=家事も折半というのが合理的ですよね?
(妻がパートであれば、収入対比で分担するというのでも良いですよ。)

共働きだが、家事は女がやるもの。
誰か私を納得させられる合理的な説明をできる者はいるだろうか?
否、地球上で、この命題を証明できる者は一人もいないだろうと思います。
こんな証明、ABC予想より遥かに困難ですよ。


ケース②
専業主婦の妻を外出させない夫

驚いたことに、意外といるようなんですよ。
先日、40歳になった節目に初めての大規模な同窓会を実施したのですが、結構少なくない数あったのが、女性陣の「旦那に確認してみる」という返答。
そう言えば、私の結婚パーティーでもこの返答をした人がいたなぁ。結果的には来てくれたけど、これ、言われると結構ショックなものですよ・・・。
周囲にヒアリングしたところ、「夫が子供の面倒をみてくれないから行けない」ということもあるようです。
えぇーーーー!?
もはやアウンサン・スーチーさん以上の軟禁状態だよ!
香港で働くフィリピン人の住込みのメイドさんでも、週に1日は完全なお休みがもらえているよ?
私からしたら、そんなの奴隷に等しいよ。


こういう男どもと対峙させてもらいたい。
コテンパンに言い負かす自信がある。
でも、言い負かすことに何の意味も無いということに気付く今日この頃。
言い負かしたからって、何の強制力も無い訳で。
人間は理屈ではなく感情の生き物だから、「単に家事をやりたくない」という理由で、結局何もやらないのだろうな。
無力だわ・・・。

東京23区を擬人化し、各区が自分語りするという斬新な短編集です。
各区のキャラクターによって、喋り方もガラリと変わります。
これ、目の付け所が良いと思いました。
そう来たか!そういう手があったか!と。

例えば港区。
六本木は元は軍隊の街で、国立新美術館の辺りは駐屯地だったのですね。
そこらじゅうに兵隊が歩いているような物々しい場所だったこともあり、港区はどんなに面白いことを言われてもピクリとも笑わない超怖いオヤジだったのだそう。
それが180度変わってしまったのは終戦がきっかけだったそうで。

戦争に負けて、この先どうなっちゃうんだろうって思ってたら、米軍がワァーッとやって来て、オキュパイドよ。占領ね、占領。すっかり米軍の街になり、米兵向けの店ークラブ、バー、レストランなんかができるようになって、オレは東京でありながら、アメリカになっちゃったんだ。
最初はさぁ、「えーっ!?」って感じよ。絶対嫌だと思ったね。なんなら自害しよっかな~ってくらい、突っ張った気持ちだった。けどね、あれよあれよという間に占領軍がやって来て、ジープなんかが走るようになるうちに、よくわかんないけど、だんだん楽しくなってきちゃったんだ。

というように、各区の歴史や豆知識を知ることができるのも面白いです。
荒川区には荒川は流れていないとか、江戸川区はインド人が多く住んでいるとか、中野ブロードウェイは当初はお洒落でクールな存在で、沢田研二も住んでいたとか。

仕事は好きでバリバリ働いていたのに、結婚して専業主婦になったら、家事が全く出来ない。
向いていないし、やりたくない。
そんな29歳の専業主婦ひかりが、地元に帰って来た元カレ青山くんに再会します。
そこでよろめくかと思いきや、

青山くんを選んだところで、やることは全部同じなわけでしょ?
結婚して、一緒に住み、家事をする。
毎日毎日洗濯して、掃除して、ごはんを作る。
それがゴールなら、わたしは誰とも恋なんかしない。

わーかーるー!
って、たいして家事してないけど。
ごはんなんて9年間の結婚生活で3回くらいしか作ったことないけど。

私は家事が向いていないから、そっちも全然好きじゃないけど働くよ。
旦那さんと対等に稼いで、家事分担もきっちり半分にする。

表題作の他、2編の短編も収録されています。
でも他2編はあまり面白くなかった。

『フィガロジャポン』を10年も定期購読しているのに、パリに行ったことがない大学院生のあゆこ。
パリどころか海外には一度も行ったことが無い。
なんだかんだ自分に理由をつけて行かない。
ま、パリなんか行かなくても、このままでも良いかなぁ~とも思っていたあゆこだったが・・・。

年齢も肩書も様々な老若女子10人が、パリに行こうと思い立つまでを描いた短編集で、最後の章で、収束していきます。

やりたいと思っているのに、なんだかんだ理由をつけてやらないこと、ありますよね?
うしろめたさを感じつつも、でもまぁ、今のままでも良いんじゃない?と自分に言い聞かせてみたり。
私もあります。英会話だったり仕事だったり。

なんだけど、パリ!?と思ってしまった。
パリなんて、いつでも行けるじゃん!と。

でもパリはメタファーのようなものだと思えば良いでしょう。
他の人からしたら、私の英会話だって、はぁ?今すぐスピードラーニング(古い)でもやれば?と思われるでしょうし。

まだ感想を書けていませんが、やりたいと思っているのに、なんだかんだ理由をつけてやっていないアナタ!
ぜひ映画「ドリーム」を観て下さい。
素晴らしい映画です。が、私は少し凹みました。
なんで私は、なんの差別も受けておらず、逆境もないのに、やらないんだろう。頑張らないのだろうと。

山内マリコさんの3作目です。
引き続き、地方在住or地方出身女子の鬱屈みたいなものを描いています。

11の短編が収録されており、もはやショートショートのような短さですが、どれも心に何か引っかかります。
(なにこれ、なんの話でもないじゃん!?と思う人もいるかもですが。)

さよちゃんはブスなんかじゃないよ
昔の話を聞かせてよ
大人になる方法 
ケイコは都会の女
ボーイフレンドのナンバーワン
人の思いでを盗むな
走っても走ってもあたしはまだ十四歳
八月三十二日がはじまちゃった
Mr. & Mrs. Aoki, R.I.P.
孤高のギャル小松さん 
遊びの時間はすぐ終わる 

ものすごいブスの女の子が、何の経験も無いことに焦り、ものすごいブサイクの男の子と付き合い始めるが、ブサイク同士が付き合っていることに対する他人からの目が気になり別れてしまう「さよちゃんはブスじゃないよ」
誰かに“さよちゃんはブスじゃないよ”と言ってもらえたら、もう少し違ったのではないかという描写が心に突き刺さりました。

東京で働く地方出身&独身のアラサーが、久々に帰った実家で、親からも友人からも“結婚願望無くバリバリ働きたい人”というレッテルを貼られていて、“とにかく結婚したいし!”というモヤモヤを抱える「遊びの時間はすぐ終わる」

どれも何か大きな出来事が起きる訳ではないですが、シミジミ、心情が伝わる11編です。

山内マリコさんのデビュー作です。
山内さんの『あのこは貴族』が面白かったので、遡って順々に読んでいます。

地方で生まれ、地方で暮らす(Uターン含む)女の子達の8つの短編小説が収録されています。
・私たちがすごかった栄光の話
・やがて哀しき女の子
・地方都市のタラ・リピンスキー
・君がどこにも行けないのは車持ってないから
・アメリカ人とリセエンヌ
・東京、二十歳。
・ローファー娘は体なんか売らない
・16歳はセックスの齢

連作ではないですが、椎名という昔は人気者だったけど今はパッとしない男が共通項として登場します。

東京の大学に進んだものの仕事で挫折し地方に戻ってきた20代女性が主人公の「私たちがすごかった栄光の話」
親友同士で結婚相談所に入会したものの、その後の結果で友情に暗雲がたちこめる「やがて哀しき女の子」
女子高生達が一生処女だったらどうしようと悩む「16歳はセックスの齢」
が面白かったです。

「私たちがすごかった栄光の話」に藤代冥砂が憎くてならないフリーカメラマンの須賀(彼もUターン組)という男が出てくるのですが、彼の台詞が面白い。
「俺がこの数年でどんだけ
EXILEのバラードをカラオケで聴かされたかお前わかるか?」

ヒットしている映画のタイトルを見ても思うのは、日本はなんだかんだ地方の方が大多数なんだなということ。

こういう小説を読む度に、膨大な小説を読んではいるけれども、私には小説は書けないなと思うのであります。
小説を書くには、欠損というか渇望みたいなものが足りないのだと思います。

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