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タグ:我孫子武丸

タイトルは存じ上げていたのですが、描写がエグイと聞いていたので、なかなか読む勇気が出ず。ここへきて、えいやで読んでみました。

連続猟奇殺人犯の蒲生稔と、彼を捕まえたい被害者の関係者達。
思っていたほどエグくなかったぞ(誉田さんの『ジウ』はエグすぎて途中で挫折した…)と思いながら、ほぼラストまで読み進めた私は、ラストの1行で、「えぇー!?」となりました。
私が今まで読んでいたものは何だったの!?と、頭からざざっと読み返したもんね。
という訳で、叙述トリックです。
まんまと騙されましたが、小説としてはこんなに有名になるほどの出来栄えとは思えず。

映画の撮影途中で監督が失踪してしまう。
しかも映画の結末は監督しか知らないのだ。

残された出演者とスタッフは、映画の結末を推測し、何とか監督抜きで映画を完成させようとします。
この映画がミステリーということもあり、映画の結末=犯人は誰なのか?ということになるのですが、出演者は皆、自分が犯人というオチを望んでいて、無理やりこじつけてきます。
犯人ってこじつければ、こんなに何通りもパターンが考えられるのねと。
この点は、私の大好きなバークリーの『毒入りチョコレート事件』を彷彿させます。

プラス、監督はどこに行ってしまったのか?
何故失踪したのか?という謎も。

と、試みは面白いのですが、小説としては惜しいという感じ。
もっと面白く出来たんじゃないかと。


我孫子さんと言えば、『殺戮に至る病』だということは存じ上げているのですが、内容がかなりエグイようなので、躊躇しております。

我孫子さん1冊目です。

妻を殺された刑事と妻が失踪してしまった高校教師。
二人とも、とある宗教団体の関与を疑い、その教団で鉢合わせる。
共に捜査することにした二人だったが・・・。

宗教団体のカラクリが面白かったです。

体験に来た人はロッカーで着替えて荷物も全て入れなきゃならないんだけど、その人が体験コースを受けている間に携帯の中身から名刺からカード類をスキミング。ご自由にと配っている携帯ストラップには盗聴器。信者に買わせている弥勒像にも盗聴器。とにかく情報を集める。

逆のパターンで、すでに仕掛けている街の盗聴器から、貴重な情報が手に入ったら、近くの支部の人間に積極的に勧誘させる。一旦連れて来さえすれば、後は思いのまま。悩みを見抜き、失せ物を見つけてやり、夫が浮気をしていることを教えてやると、あっという間に熱心な信者のできあがり。

ラストは意外性にびっくり。
後味はあまり良くないです。

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