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海外ミステリー

F・W・クロフツ 『クロイドン発12時30分』(東京創元社)

初クロフツ(1879年~1957年)です。
アイルランド生まれのイギリスのミステリ作家で、デビュー作の『樽』が最も評価が高いそうですが、未読。

『クロイドン発12時30分』は三大倒叙ミステリ小説と言われているそうです。
倒叙ミステリとは、最初に犯人が明かされ、犯人の視点で物語が展開されていくタイプのものです。

確かに当時は新しい手法だったので評価されたのだと思いますが、今読むと、ミステリというよりも人間ドラマ?
お金に困った男が、遺産目当てで金持ちの叔父を殺す話です。
ミステリというほどの推理や驚きがどこにもない・・・。
ミステリというより、犯人が追いつめられていく様を描いた心理物という感想。

うーむ。
『樽』を読むのを躊躇するなぁ。

ヴァン・ダイン 『グリーン家殺人事件』(東京創元社)

「アマチュア探偵ファイロ・ヴァンス」シリーズの3作目です。
同シリーズの4作目『僧正殺人事件』と並び、二大代表作だそうですが、私は『僧正殺人事件』の方が面白かったです。

タイトルの通り、グリーン家の人達が一人また一人と殺されていくのですが、いつもこの手のミステリーを読んで思うのは、犯人、殺し過ぎでしょうよと。
さすがに消去法であなたが犯人だって分かっちゃうでしょうよと。

と、現実的なことばかりに目がいってしまい、ミステリーに入り込めないことが時々あります。

リチャード・ニーリィ 『心ひき裂かれて』(KADOKAWA)

『殺人症候群』に続き、リチャード・ニーリィの叙述トリックもの。

叙述トリックとは、登場人物の性別や国籍、事件の発生した時間や場所など、一部の描写をわざと伏せたり曖昧にすることで、読者の先入観や思い込みを利用し、ミスリードする仕掛けのこと。
「イニシエーション・ラブ」は映画化されましたが、文章上の仕掛けなので、映像化は難しいとされます。

で、本作。
精神病院から退院したばかりの妻・ケイトが、自宅で夫・ハリーの留守中に何者かに襲われる。
さらに心身を病んだ妻をケアしなければならないのに、ハリーの前に忘れられない昔の恋人が現れ・・・。

ハリーは妻が寝ている間に食料調達に出かけた際、レイプされかけた若い女性を助けるのですね。
で、その犯人に逆恨みされ、ケイトが襲われたのではないかと。

正直、ミステリーとしては全然面白くないです。
その後、連続レイプ事件が起きるのですが、展開がつまらない。

で、ラスト。
確かに衝撃でしたけど、え!?でも本筋に関係なくない!?みたいな。
WhodunitともHowdunitともWhydunitとも関係無いミスリード・・・。

叙述トリックだからといって、面白いとは限らない。
本作は叙述トリックで過剰に評価されていると思う。

リチャード・ニーリィ 『殺人症候群』(KADOKAWA)

仕事にも女にも引っ込み思案のランバート。
全てにおいて積極的で自信に満ち溢れたチャールズ。
同じ職場で働く対照的な二人の男を結びつけたのは凄まじいまでの女性への憎悪だった。

ランバートを愚弄した女を復讐のためチャールズが殺すのですが、一人を殺したことで、(犯人である証拠をつかまれそうになったりとか)芋づる式に何人も殺すはめになっていきます。

殆どラスト近くまで、単なるサイコ・サスペンスにしか読めず、まぁ確かにサイコパスの心理(犯行を誇示したい)はよく描けているなぁとは思ったのですが、何で評価されているのか分からなかったのです。

が、ほぼラストですね。
えー!?となり、読み返してしまいました。

なるほどなぁ。そうきたかぁ。
でもこれは映像化は不可能なやつですね。

D.M.ディヴァイン 『五番目のコード』(東京創元社)

ディヴァインの『悪魔はすぐそこに』には乗れなかった私ですが、本作は面白かったです。
1967年に上梓されたものとは思えないくらい、古臭さを感じない。
ちなみに、ディヴァインの小説で本作だけが映画化されています。

舞台はスコットランドの地方都市。
帰宅途中の女性教師が何者かに襲われ、殺されかける。
この件を発端に連続殺人事件が起きる。
現場には棺のカードが残されており・・・。

まずはミステリーとしても素晴らしく面白い。
犯人、うひゃーとなった。

そして人間模様や人物描写も面白いのですよー。
ジェレミーという新聞記者が、警察から事件への関与を疑われながらも犯人を追うのですが、このジェレミーのいびつさや、被害者やら容疑者やら、事件を取り巻く人々の人間ドラマが秀逸。



ジョン・ディクスン・カー 『緑のカプセルの謎』(東京創元社)

ディクスン・カー、2作目です。

町の小さな菓子店で、何者かが商品に毒入りチョコレートを混入、小さな子供が死亡するという事件が起きる。
容疑者として、町の名士の姪が浮上。
「人の記憶がいかに曖昧なものか」を証明するため、名士は寸劇を行うが、その最中に彼も殺されてしまい・・・。

本作が名作と言われているのは、きっとこの寸劇が理由ですね。
名士は寸劇を見せた後、観客にいくつか質問をする予定でした。
それにより、見ているつもりが、いかに見えていないかを証明すると。
この質問が引っ掛けもあって上手いということなんでしょうね。

でも、小説としては面白くなかったです。
アガサ・クリスティが面白いのって、トリックじゃないんだよなぁ。
人間ドラマなんだよなぁ。

でも、トリック好きな人もいるし、それは個人の好みでしょうね。

D.M.ディヴァイン 『悪魔はすぐそこに』(東京創元社)

こちらも傑作と言われているミステリーなのですが・・・。

ハードゲート大学の数学講師ピーターは、横領容疑で免職の危機にある亡父の友人ハクストンに助力を乞われた。だが審問の場でハクストンは、教授たちに脅迫めいた言葉を吐いたのち変死する。次いで図書館で殺人が起き、名誉学長暗殺を仄めかす手紙が舞い込む。相次ぐ事件は、ピーターの父を死に追いやった八年前の醜聞が原因なのか。

構成にヒネリが無く、ストーリーは一本道で、いつ面白くなるんだろうと思っていたら、最後まで面白くならなかった。
犯人も途中で分かっちゃったし。

アントニー・バークリー 『毒入りチョコレート事件』(東京創元社)

古典名作ミステリーを読み込むのが今年のテーマ。

ということで、「多重解決型」の金字塔的な存在である本作。
後世、様々な方々に影響を与えているようです。
米澤穂信さんの『愚者のエンドロール』は、本作のオマージュだそう。

ベンディックス夫人が毒入りチョコレートを食べて死ぬ。
そのチョコレートは、ベンディックス氏が知人のユーステス卿から貰ったもので、さらにユーステス卿の元に有名チョコレートメーカーから新作の贈呈として送られてきたものだった。

この事件を、推理作家ロジャー・シェリンガム率いる「犯罪研究会」のメンバー6人が順番に推理します。

面白いのが、どの推理も納得感があり、そこで終わっても成立する感じなのです。
でも、これで解決か!と思った矢先に、次の人が推理の穴を指摘し、別の推理を展開すると。
ミステリーって、どんな風にも展開できるのだなと思えます。

次々と登場人物のプライベートが暴かれていくのも面白いです。

ヴァン・ダイン 『僧正殺人事件』 (東京創元社)

ヴァン・ダイン 『僧正殺人事件』(東京創元社)

アメリカの推理小説家、ヴァン・ダイン(18881015日~1939411日)の代表作の一つです。

江戸川乱歩は本作を「黄金時代ミステリーBEST10」の3位に挙げていたのだそうです。

 

高名な物理学者ディラード教授の邸宅で、教授の姪に思いを寄せていた弓術選手ジョーゼフ・コクレーン・ロビンが心臓に矢が突き刺さった状態で死んでいるのが発見された。

恋敵であり死の直前まで一緒だったスパーリングに疑いがかかるが…。

 

マザー・グースの「誰がコック・ロビンを殺したか?」の冒頭です。

誰がコックロビンを殺したか?

それは私とスズメが言った

私の弓に矢を番え

私が殺したコックロビン

 

スパーリング=スズメ。

つまり「マザー・グース」の見立て殺人となっています。

 

この後も、次々と「マザー・グース」の見立て殺人事件が起きます。

(よって、スパーリングは犯人じゃないのですが。)

 

マザー・グースの見立て殺人と言えば、アガサ・クリスティを思い浮かべるのですが、時系列的にはヴァン・ダインの方が先ですね。

 

ミステリーとして面白かったです。

いま読んでも全然古臭くないかと。

 

そしてラストが良かった。

これドラマとかでやったら、賛否起きそうなラストですね。

 

ところで皆さん、「名探偵ポワロ」の最後(『カーテン』)ってご存じですか?

かなり衝撃的なので、少しでもポワロを読んだことのある人は、読んで欲しいなぁ。

ジョン・ディクスン・カー 『火刑法廷』(早川書房)

恥ずかしながら、初ディクスン・カーです。

ジョン・ディクスン・カー(1906年11月30日~1977年2月27日)
アメリカ合衆国の推理作家。「密室派」「密室の王者」の異名を持つ。

編集者のエドワードは、社のドル箱作家の書き下ろし原稿を前に愕然とする。
添付されている17世紀の毒殺犯の写真は、まごうかたなく妻マリーのものだったのだ。
さらに、隣人が毒殺され、妻に疑いがかかり・・・。

火刑法廷
17世紀ルイ王朝の間、特に妖術や毒殺などどいった異例に属する裁判を審理し、火刑を宣言した法廷のこと。

途中まで、オカルト小説みたいなことなのかと少しガッカリしながら読んでいたのですが、オカルトは完全なるミスリードでした。

ドンデンに次ぐドンデン。

ディクスン・カーに対して、なんとなくもっと理屈っぽい小説をイメージしていたのですが、本作だからかもしれませんが割と王道な感じで読みやすかった。

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