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「ハゲタカ」シリーズの現時点での最新刊です。

鷲津が首都電力に買収を仕掛けようとした矢先の2011年3月に東北に大地震が発生し、原発事故が起きるという展開です。

私、「ハゲタカ」シリーズが大好きで。
鷲津は脳内で大森南朋(絶対に綾野剛ではない)に変換されております。

今回は政治色が強くなっていますね。
原発に関しての個人的な思いを述べることは控えますが、電力会社(上層部と現場)、発電所で働く方々、政治家、官僚、銀行、投資家、そして一般人、本作はフィクションですが、きっと実際にもこうだったんだろうなと、色々な立場の人達の考え方が分かる視野が広がる作品だと思いました。

それにしても真山さんの知識は凄いと思います。
どうやってこれを書けば良いのか、私なら途方にくれます。

『ハゲタカ4.5 スパイラル』に続き、『ハゲタカ』のスピンオフ小説を読みました。
本作の主人公は松平貴子です。
 
日本を代表するクラシックホテルの日光ミカドホテルが経営難に陥り、世界的リゾートグループのリゾルテ・ドゥ・ビーナス傘下に置かれることになる。創業家の長女である松平貴子は、執行役員になって目標値を達成すればミカドを返すとビーナスから約束されるが…。
 
貴子VSビーナスに、中国の大富豪と彼を狙う中国政府が絡んできて、三つ巴?四つ巴?
この中国パートが完全にスパイ小説と化していて、人もたくさん死ぬし、エグいシーンもあるし、『ハゲタカ』の延長や経済小説を期待して読むと、何じゃこりゃ?になると思います。
鷲津も(芝野も)出てきますが、カメオ出演程度で、物足りないです。

『ハゲタカ』好きなのに(というか大森南朋が演じた鷲津が好き)、スピンオフがこんなに出ているのを知らず、今更読んでいます。

今回の主人公は芝野(私的には渡部篤郎ではなく柴田恭兵)です。
大手電機メーカーのCROを辞めて、小さな製作所の再生に奮闘します。

池井戸さんの小説とかぶるけど、真山さんの方がシリアス。
でも二人とも、人物描写はステレオタイプであまり上手くないよね。


『ハゲタカ』シリーズのスピンオフで、芝野が主役です。
リーマンショックとは何の関係も無なさそうな東大阪の中小メーカーが巻き込まれ、果ては難病の少女の未来を左右することになるという、バタフライエフェクト的な展開です。

インターネットの力で、地球全体がひとつに繋がっている。だが、必ずしも良いことばかりではない。アメリカで起きたリーマンショックが世界に波及している元凶も、インターネットだった。今や、金融の取引は電子決済化が当たり前で、国境を瞬時に苦もなく越えていく。その結果、地球上のどこにいても市場の値動きをウォッチできるし、売買も可能になった。投資の流れは太く速くなり、毎日、毎秒、地球上を激しく駆け巡るようになったのだ。
大阪に儲け話があると聞けば、世界中からカネが集まる。しかし、投資価値がなくなれば、蜘蛛の子を散らすようにカネが消えていく。

私が上記を痛感するのは、「日本人が日本に家を買えなくなっている」という現象です。
都内では1,000万円/㎡が基準となってしまいました。
それでも、ニューヨーク・ロンドン・香港など海外の都心部に比べると、東京の不動産は断然安いそうで、オリンピックが終わっても値崩れしないという意見もあります。

もちろん、日本企業も国内だけでは回らないからお互い様なのだろうけれど、一個人としてみたら、カネってそもそもそういうものでしたっけ?労働や商品の対価じゃなかったでしたっけ?なんかおかしなことになっていませんか?と思ってしまいます。

投資家が、キャッシュで不動産を買い漁り、値を釣り上げて、売り逃げて、莫大な利益を得る。
一般市民は不動産の高騰に焦り、もう一生買えなくなるかも!と不安になって、何とか頭金を作って狭いマンションを買う。あっという間に暴落し、売っても借金が残るので売れず、毎月、もはやその物件の価格と釣り合わない高額のローンを払い続ける。
なんだかなぁ・・・。

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