赤堀雅秋さんの新作舞台を観てきました。
実は赤堀さんの舞台を観るのは初めてで、赤堀さんが初監督された映画「その夜の侍」がとても良かったので、ずっと舞台を観たいと思っていたのであります。

ダメながらも愛すべき人間たちの関係を緊密にリアルに描き、独特のユーモアを交えることで観客に強い共感と高揚感を与える、というのが赤堀さんの作風だそうで、本作も同様でした。

10年前に妻を交通事故で亡くしている総菜屋の店主(光石研)、その事故の加害者(大森南朋)、総菜屋の従業員(赤堀雅秋)、寝たきりの店主の父親を介護しているヘルパー(麻生久美子)、店主の娘(木下あかり)、店主の商店街仲間(田中哲司)という超豪華キャスト。
店主の妻の命日の一日を描いているのですが、ストーリーはあってないようなもの。

舞台って、あの狭いスペースを逆手に取るか(劇団「ヨーロッパ企画」のような)、生の演技を見せつけるか、どちらかしか無いと思っているのですが、今回は完全に後者でした。

もう6人の演技が本当に素晴らしく、ストーリーは関係無く(失礼?)、見入ってしまいますし、つまらないと思う瞬間が全くありませんでした。
光石研も大森南朋も田中哲司も、いつもの演技と言えばいつもの演技なのですが、いやぁでも上手いねぇ。自分の役割を完璧にこなしているし、間とか本当に上手い。彼らの演技を間近で見られて、本当に贅沢な2時間を過ごすことが出来ました。

http://setagaya-pt.jp/performances/20160205onajiyume.html