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タグ:飛鳥井千砂

正反対の状況に置かれている亜希と茗子の共通項は、同じ育児ブログを読んでいること。
ブログの執筆者に亜希は憧れ、茗子は憎しみを感じていた。

35歳の亜希は、妊娠を告げた派遣先で雇い止めにあい、出産後に求職活動を始めるも、子供の保育園が決まらないのでなかなか受からない。でも保育園は仕事が決まらないと入れない。
もう何をどこから頑張ってよいのか分からないでいる。

37歳の茗子は、流産後、妊娠せず。勤務先では妊娠中や子供のいる同僚のフォローに追われていて疲れ切っている。

どちらの気持ちも分かります。

特に茗子の置かれた状況が非常に苦しい。
生理痛でもないのに生理休暇を毎月フル取得したり、妊娠中の特別休暇を有休消化に組み込み退職したりする後輩女子達。本当にこんな図々しい人っているのかな?と思うくらい、酷い…。

でも読んでいて思ったのは、男も悪いよね。
若い女子に嫌われたくなくて良い顔し、茗子にしわ寄せ押し付けている上司は死ねと思う。
亜希の旦那さんは子育てに協力的だけど、でも、協力って何?って思う。
二人の子供なのだから、フィフティフィフティにすべきだよね。
じゃなければもっと稼いで奥さんを専業主婦にさせてあげろよと思う。

女性は圧倒的共感力を持って読めると思うけど、私はむしろ男どもに読んでもらいたい。


飛鳥井さんの小説も全て読んでいます。

アパレルメーカー「ビータイド」に勤める佐和理世は、自身の企画が採用され、新ブランドの立ち上げメンバーに選ばれる。ある日、たまたま入ったカフェに展示されていたバッグのデザインに衝撃を受けた理世は、作者の小鳥遊美名をメインデザイナーにスカウトする。少女のような独特な魅力と溢れる才能を持つ美名に惹かれていく理世だったが・・・。

アラサー女性のお仕事小説かと思いきや、徐々に不穏な雰囲気になっていき、あれ?イヤミス??的な展開に。

この美名という女性が、絶対に近づいてはならないタイプなのです。
好きな人(男女限らず)が出来たら、その人に好かれるために平気で自らを偽り(帰国子女とか)、距離を縮める。
そして恋人or親友になるが、その相手から少しでも自分を否定されると、一気に反転して攻撃を始める。
その攻撃の仕方も、天然の振りして相手を傷つけることを言うor他の人が言ってたテイにするという巧みさ。

美名のモンスターっぷりが凄かった・・・。
でもこういうタイプって、実際に被害にあった人以外にはブラックさが伝わらないから、更にやっかいなんだよね・・・。

私が理世だったらどうするかなぁ。
・・・サイコパスとは戦ってはならない。逃げるしかないんだよね。

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