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デヴィッド・ボウイ財団初の公式認定ドキュメンタリー映画です。

ちょっと点描っぽいと言いますか、ベースの知識が無いと、なんだかよく分からないかもしれません。
が、ファンの方には是非とも観てもらいたい。
大スクリーンでデヴィッド・ボウイが観られる機会なんて、なかなか無いですからね!
そして出来ればDolby Atmosとか音響設備の良い劇場で!

デヴィッド・ボウイは私の人生を変えてくれた人です。

私は小学校5年生の時に観た映画「ラビリンス」(いまだに一番好きな映画)でデヴィッド・ボウイに一目惚れし、以来、大ファンで。
周囲が光GENJIに夢中な中、独り「Life On Mars?」に打ち震えていました。

イギリス好きになったのもデヴィッド・ボウイの影響が大きく、その後、イギリスにある全寮制の高校に入学。

そして忘れもしない2004年3月8日・9日。
8年振り、そして最後のジャパンツアーとなった〈A REALITY TOUR〉日本武道館公演。
私は両日チケットを押さえており、2日目はなんと最前列をゲットしていた。

その頃、ものすごく激務な会社に勤めていて、半年で2日しか休みが無かったのです。
でもちょうど谷間だったから行けると思っていた。
それなのに仕事を入れられてしまい、私は迷わず会社を辞めました。
(女の先輩に、「辞めるのは良いけど、私の仕事だけやって辞めてくれない?」と頼まれ、こんな所もう嫌だと思いましたね。)

3月9日。
最前列は思っていた以上に近くて、デヴィッド・ボウイの美しい瞳の色や引き締まった上腕筋までよく見えて、現実とは思えず、ずっと興奮してフワフワしていました。
隣の私より少し年上の方、彼女も一人で来ていて仲良くなったのだけど、今どうしているかなぁ。
そしてラストソングの「Ziggy Stardust」で号泣したんだよね。
もちろん感動したからなのだけど、あぁ、私は無職なんだ、明日からどうしようという不安もあった。

あの時の不安、今でもよく覚えている。
でも、あの時に辞めて本当に良かったと思う。
だからこそ今がある。

いま思うと、第二新卒採用とか中途採用とかもあったのに、仕事が忙しすぎて目の前のことをこなすのに精いっぱいで、自分の人生について何も考えられなかった。

幸い、すぐに次の会社は決まったのだけど、最終の役員面接で前の会社を辞めた理由、正直に言ったんだ。デヴィッド・ボウイの8年振りの来日コンサートに行くためと。
ともすれば無責任な社会人にも思えるかもしれないけど、私の意図としては、これはターニングポイントで、デヴィッド・ボウイが背中を押してくれたということを言いたかったのです。

訃報を知った時のことを昨日のことのように覚えています。
TOHOシネマズ新宿で映画を観終わって、スマホの電源入れたら目に飛び込んできて。
歌舞伎町で崩れ落ちました。

長々と書きましたが、映画の話に戻しますと、デヴィッド・ボウイの曲を聴くと、自分のこれまでの人生が走馬灯のように蘇ってくるのですよね。
なのですぐに涙が出てきてしまう…。

坂本龍一さんも亡くなって。
うまく説明できないのですが、好きな人が徐々に向こうに行ってしまうと、向こうに行くのが怖くなくなるような気がします。
とは言え、行きたい国があり過ぎて現世で回り切れるか不安なくらいなので、まだ行けませんが。

https://dbmd.jp/


映画館で観るべき映画だと思いました。
スクリーンからほとばしるエネルギーが凄い。
とは言え、戦のシーンは多くないのです。
信長と濃姫の心の変遷が丁寧に描かれ、ストーリーの軸になっています。
私は常々、人の心を揺さぶるのは出来事ではなく感情だと思っているのですよね。

好きでもない相手と政略結婚させられ、第一印象はお互い最悪。
徐々に惹かれ合っていくも、強がって素直になれない。

前半は王道のラブコメ的な展開で、心が浮き立ちます。
後半は一転、とても切ない。

ようやく想いが通じ合い(ブラッディなラブシーンは斬新)、共通の夢を持つも、すれ違っていきます。

濃姫は、国を広げていくという自分の夢を叶えるために、好きな人が厳しい道を進むことになり苦悩します。そしてもはや信長の心は自分に無いと思ってしまう。

信長は、何千、何万もの屍を乗り越えており、もう後戻りはできないと思っています。でも濃姫の心がもう自分に無いのに、何のためにこんな苦しい道を進んでいるのかと思ってしまう。

この辺りのすれ違いが本当に切ない。

濃姫については史料が殆ど無いそうで、その最期についても謎に包まれていると聞いていますし、本能寺の変についても諸説ありますよね。
脚本の古沢さんのオリジナリティが素晴らしく、そう来たかー!と驚きました。

古沢さんがインタビューで、「トルネードは歴史として残るけれど、蝶の羽ばたきは人知れず消えていきます。僕にはその蝶の羽ばたきのほうを描くことが重要で、トルネードという歴史は誰もが知っているのだからわざわざ描かなくていいと思った」と仰っていて、大変心に響きました。


本作で私の一番好きなシーン(ネタバレになるので詳細書きませんが)。
濃姫あっての信長なのだと伝わる素晴らしい描写でした。

ラストの信長の台詞も痺れましたね。
あんなに哀しくて美しいラストシーンはなかなか無いと思う。


木村さん素晴らしかった。
映画の始まりと終わりで顔が全然違う。
メイクとかそういうことではなく、内面の変化が顔を変えている。

一方、濃姫は変わらない。
心・身・芯が強く、ブレない。
古沢さんは魅力的な女性キャラクターを生み出す天才だと思う。
そんな濃姫を綾瀬さんが見事に演じ切っていました。

二人が別の世界線で幸せに暮らしていて欲しい、いや、暮らしているのではないかと思えました。


ところで。「どうする家康」で、公家かぶれの今川義元は織田信長に敗れて当然みたいなイメージを払拭してくれて嬉しかったのですが、本作でも、今川義元に勝てるはずがないという描かれ方をしていて感涙です。

https://legend-butterfly.com/


5点
5点: 数年に1作の傑作
4.5点: 今年のベスト候補 
4点: かなり面白い
3.5点: 面白い
3点: 可
2.5点: 難有り
2点: つまらない
1.5点: 酷い
1点: 殺意

少しもネタバレしたくないと思うと、感想を書くのが難しい。
さらにロマンス編とプリンセス編も未見の人に気を配ろうとすると、もう何も書けなくなりそうなので、そちらの配慮は無しにします。

3作ともパターンが異なるのが本当にすごい。
たいてい1パターンになりがちじゃないですか。
悪人つかまえて、激白させて、実は動画撮ってて配信してましたを毎話繰り返す的な。

コンフィは毎回異なるから、毎回騙される。
ロマンス編は、オサカナと思っていた人が味方だった。
プリンセス編は、子猫(味方)も騙していた。
そして今回の英雄編は・・・!?

もうね、3回くらい大ドンデン返しがありましてね。
私も色々疑いながら観ているんですよ。
この人は実は裏切っているのではないか、実は味方なんじゃないかと。でも裏の裏だったりね!

そして3人が過去最大の危機に陥り、これどうやって逆転させるつもりなんだろうとハラハラするのですが、えー!???そこから!????みたいな。

脚本の古沢さんの頭の中はどうなっているんだ!?
あとどれくらい引き出しあるのだろう!?

テクニカルで言えば、本作が一番高度な構成になっていると思います。
マルタ島を舞台に、ダー子、ボクちゃん、リチャードが腕比べするのですね。
でもって、インターポールと警視庁のダブルに追われる。
複雑な対立構造になっています。
その上、前半は同じ時間軸を3人それぞれの視点で描いており、ダー子編とボクちゃん編とリチャード編で、見える景色が変わるという。実はそれぞれ、こう動いていたのね!と。

エモーショナルで言っても、3作全て異なります。
ロマンス、母性、そして本作は仲間。
さらに3人の過去も描かれます。

プリンセス編でのダー子とコックリの別れのシーン。
コックリに抱きつかれた時のダー子の表情に、長澤さんはもはやダー子を演じているのではなく、ダー子なんだと思いましたが、本作でも、静かなシーンなのに強烈な印象を残すという神がかった演技をされています。

ちなみに、私はマルタ共和国に行ったことがあるのですよ。
実際に行った私が観て違和感が無かったのは、田中監督のカット割りとカメラマンさんの技術の賜物でしょう。

それにしても瀬戸くんはよくやったなぁ。
フランス語を話しながら、動きのある演技をするって、かなりの難易度だと思う。
最初、フランス語は吹き替えかと思ったもの。
そして、瀬戸くんに江口さんにあんなことさせるとは!田中監督すごい(笑)
(もともと台本にあったのかな?)

とりとめもなく書いてしまいましたが、私が一番言いたかったのは、彼らが本当にどこかにいる気がするということ。この世界線があって欲しいと思っているということ。
スタアとジェシーも暗躍していましたよ!
ピンチに陥ったら、きっと彼らが助けてくれる気がするんだよね。


5点
https://confidenceman-movie.com/index.html

ものすごく面白かったです。

騙されまいと、全員のセリフや行動を全て疑いながら観ていたのに、騙されました…。
(ちなみに5/18に放送されたドラマSPでも騙されたので、一日二度、騙されました。)

ラスト、えーーーーー、まさかまさか、えーーーーー!?と。
後半、一点だけ気になる部分がPったのですが、それもラストで昇華され、嬉しくて叫びそうに。

脚本の古沢さんは本当に天才ですね。
いつも思いますが、どこからどうやって書いているのか分からない!!

全く予備知識無しで観るべきだと思いますので、ストーリーについては、これ以上は語りません。

ドラマ版でもそうでしたが、長澤まさみさんが振り切った演技をしていて、とても楽しそう。彼女の代表作になったなと思います。
古沢さんの脚本は伏線の回収など構成はもちろんのこと、キャラクター作りも上手いのですよ。特に女優さんを輝かさせる天才だと思います。
「リーガルハイ」のガッキー、「デート」の杏さん、そして「コンフィデンスマンJP」の長澤さんと、ちょっと伸び悩んでいる女優さんを再起させ、ブレイクさせてきているなと。

そして本作では女優さんだけでなく、東出昌大さんも再起させているなと。東出さん、正直、本作(ドラマ版から)で初めて良いなと思いました。ちょっと棒読みにも感じるあの話し方が、ボクちゃんにピッタリ。
そして、小手さんをシンデレラおじさんにもしましたね。

古沢さんの脚本は、俳優さんを乗せ、120%の力を引き出すのだろうなと思います。

私はダー子とボクちゃんの掛け合いが大好きで、二人をずっと見ていたいと思います。
本当にどこかに彼らがいる気がするというか、もはや、長澤さんと東出さんには見えないんですよね。

またあの3人の掛け合いを見たいので、続編を期待しています!!!

あ、エンドロール後も続きがあるので、最後までお席を立たれませんよう!


5点
https://confidenceman-movie.com/

今年観た映画97作で、ナンバーワンです。
全く隙や抜けや「もっとこうしたら良かったのに」というところが無く、パーフェクトだと思いました。
シリーズものですが、前作を観ていなくても大丈夫です!

高田の後輩の恋人が行方不明になり、調査に乗り出した探偵と高田は、モデル事務所の美人オーナー・岬マリに辿り着く。
ありふれた事件かと思いきや、ミステリアスなマリに振り回されるうちに、探偵と高田は大きな事件に巻き込まれ・・・。

まずは何よりも、探偵と高田のコンビが素晴らしい。
大泉さんと松田龍平さんの役作りが、どこも力が入っていないのに完璧で、「不射の射」(中島敦の『名人伝』ね)という言葉が頭に浮かびました。
もはや役作りというより完全に探偵と高田にしか見えなくて、二人がどこかに実在しているかのような気持ちになります。
アドリブ含め掛け合いがものすごく面白く、いつまでも二人を見続けられる、見続けたいと思えます。
(「キャラじゃん?」「引き受けてくれるってさ」など、絶妙な間!)

そしてヒロイン。
1の小雪さん、2の尾野真千子さん、そして本作の北川景子さん。
「そんな生き方しかできない」美女たち。
ヒロインと探偵との恋愛寸前の関係が、毎回切ないのですが、今回はシリーズで最も切ない。
恋愛モノとしても楽しめると思います。
北川景子の演技、初めて良いと思いました。(元々、顔は大好きですが。)
病院でのあのシーンの表情が素晴らしかった。

脚本は、1、2から変わらず古沢良太氏。
今回はほぼオリジナルとのことですが、さすが、台詞と伏線と構成が上手いです。
北川景子演じる岬マリの目的、きっとこうなんだろうなぁと思っていて、やはり!と思ったら、大ドンデン返し。
そう来たかー!と。

3から監督が吉田照幸氏に変わりました。
バイオレンス度と昭和度が減って、より洗練され、女性にも観易くなったなと。
場面転換などの演出や編集が上手かったです。
SMクラブ「罵詈雑言」に聞き込みに行った探偵が、そこで何をされたのかは見せず、その次のカットで人が変わったかのように自虐的なキャラになっているくだり、感心しました。
音楽の付け方もよく考えているなと。時に引くことが大事なのも分かっているなと。

ラストの方で、1か所、説明台詞だなと思ったのですが、これくらい説明しないと、映画をあまり観ない人には分からないのかも・・・。

一つショックだった展開があったのですが、エンドロール後に解消!
ホッとしたのもあって、爆笑してしまいました。
皆さん、エンドロール後まで決して席をお立ちになりませんように!


5点
http://www.tantei-bar.com/

素晴らしい演出と、素晴らしい二人の女優。
火星に取り残される訳でも、隕石が落ちてくる訳でも、恐竜に追いかけられる訳でもないのに、なぜこんなにスクリーンから目が離せなくなるのか。
1カット、1カット、一つとして捨てカットが無く、とにかく美しい。

ケイト・ブランシェットの「エレガンス」と、ルーニー・マーラーの「イノセンス」。
キャロルはケイト・ブランシェット以外、考えられない。
あの気品ゆえに、こういう内容でも全く下品にならないのである。
そして当初は、テレーズ役はミア・ワシコウスカの予定だったそうだが、ミア・ワシコウスカだと知性に欠ける気がする。ルーニー・マーラーは、まさに「天から落ちてきた」という感じなのだ。

ケイト・ブランシェットって本当に上手いよね。
あの視線、あの口元、あの指先、そしてあの声。
キャロルに肩に手を置かれた時のテレーズ。その直後に知人の男性に肩に手を置かれて、その差に気付いただろうなぁ。キャロルに触れられた肩がどれだけ熱を帯びているかを。

あのラストの二人の視線の交錯。
台詞も無いのに、ものすごいインパクトで釘付けになりました。

監督は、「ベルベット・ゴールドマイン」「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ。
すごいなぁ。こういうことを演出と言うのだなぁ。


5点(5点満点)
http://carol-movie.com/

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